もしかしたらもう散々聞いているかと思いますが、昨年と比べると今年の数学は、
難化
紛れもなく難化。だって難化なんだもん。とにかく計算が面倒臭い。時間がかかる。増えた2問も大変。今までにない問題もある。100点取ろうと思ったら、時間との勝負になるのは間違いない。とにかく難しくなったなぁ、というのが印象です。
だから、闇。
ただ、それはあくまで高得点を目指す上位層のお話。合格者平均点も下がりますから、数学が苦手な子達は、「できるところをやる」というのを徹底すれば、目標点数は確保できたかもしれません。
配点
問1 各3点 計15点
問2 (ア)(イ)各3点 他各4点 計22点
問3 (ア)4点 (イ)(ウ)各5点※(ウ)は中間点あり 計14点
問4 (ア)4点 (イ)両方できて5点 (ウ)5点 計14点
問5 各5点 計10点
問6 (ア)4点 (イ)(ウ)各5点 計14点
問7 (ア)両方できて2点 (イ)4点 (ウ)5点 計11点
昨年と比べると、問3と問7に一問ずつ増えました。それに伴って、配点にも若干の変化がありました。問2の(ア)(イ)が一点減るとかね。
では、詳しくその中身を見ていきましょう。
闇の大問たちへ
問1 計算
問1は計算問題。ここは絶対に絶対に絶対に落としてほしくないところ。
(ア)と(イ)は、正負の数の計算ですね。中1でもできます。
(ウ)は文字式。(エ)はルートの計算。(オ)は展開です。この辺りの常連たちは軽く倒して先へ進みましょう。
ただ、これだけで15点稼げます。
問2 小問集合
問2の小問集合も落としたくないところ。
(ア)は因数分解。(xー4)をAとおいて解いてもいいし、展開して解いてもいいね。
(イ)は、解の公式。計算ミスに気をつけて!
(ウ)は、二次関数の変域。図を書くとわかりやすいけど、xの変域が0を含む場合は、yの変域の最大値か最小値のどちらかが0になるので注意ね。
(エ)は、割合の不等式の問題。通常の代金が(2a+b)だから、これに7/10をかければ割引価格になりますね。これが5000円より少ないわけです。年末セールというやつですね。
(オ)は、ルートの大小問題。全部ルートにして考えたら楽勝です。
(カ)は、珍しき標本調査の問題。ただ、難易度は低いですし、対策教材や模試などでも見たことありますよね。30000×6/500で求めてもいいですし、500:30000=6:xとして求めてもいいです。
ここまで全問正解なら37点。なんだ、余裕じゃんと思いますよね。
闇はここより深まるのです。
問3 小問集合2
問3は小問集合2。何やらパッと見は大したことなさそうですがね。昨年最難関問題だった(イ)はやっぱり後回しにした人が多かったかな。
(ア)は角度を求める問題。この位置での登場は初めてです。そして、目標が60点ぐらいの生徒が、「お、円周角ならいける!」と踏み込んで、時間がかかってしまうことが予想される問題。解説は文字だけだときついので、こんな感じ。
(イ)はやっぱり難関。相似比を使って面積比を求める問題です。ここはMrサークルのスペシャル解説をどうぞ。
(ア)も(イ)も補助線がポイントですね。特に(イ)は時間がかかってしまうので、よほど得意じゃなければ飛ばすのも手です。
(ウ)は方程式の問題。おいおい、わざわざみかんの個数をxにするなよとAくんに突っ込みたくなりますが、しちゃったものは仕方ありません。割り算をどうやって式にするかがポイントですね。
わかりやすいので、ポイソトに見えるのは勘弁してやってください。
この3問は数学50点目標組はパスかな。高得点組は人によって(イ)の扱いが変わってくるでしょう。これについては最後にちょっとしたアドバイスを載せておきます。
問4 関数
問4はお馴染み関数です。
(ア)は誰もが取りたいところ。二次関数を求める問題ですが、座標を求めて代入するだけです。大体の(ア)の問題は、代入と方程式が使えれば大丈夫です。
(イ)は、一次関数を求める問題。こちらも取りたいところですが、分数登場で数学が苦手な子にとっては雲行きがあやしいかも。難易度としてはあんまりですが、Fの座標のせいで、計算が面倒臭いんですよね。
(ウ)は、等しい面積の時の座標を求める問題。問自体はシンプルですが、中身は深い闇の中で光を見つけるかの如くです。人によっては飛ばし要因になりうるでしょう。
それでは、Mrサークル特製の講義を見てみましょう。あくまで一例ですが、ぜひ参考に。
他にも解法はありそうですが、その一つの例としてご査収ください。
問5 確率
続いての問5は、こちらも常連顔馴染みの確率。サイコロ2つのオーソドックスな問題ですが、条件がいつも通り、ややこしやです。仕方がないので、地道に表を書きましょう。コツコツが近道。急がば回れです。
表の書き方がポイントでもあるので、こちらの例をどうぞ。
問6 空間図形
問6は空間図形の問題。これまたなんだか安定感のある出題です。
(ア)は誰もが正解したいところ。表面積ってことは触れるところ全部の面積の合計を求めるということです。ひとつずつ求めていってもいいですし、一気に出してもかまいません。
(イ)は、空間図形らしい問題。結んだ三角形の形をイメージできるかどうかがポイント。
(ウ)は最短距離の問題。考え方の一歩目は、多くの人が「展開図だな」となると思いますが、そこからがこの問題の見どころかな。気付きの連続で光を掴めるか。解法の一つを載せておきますね。
さぁ、終わりが見えてきました。
問7 平面図形
ラストの問8は平面図形。
(ア)は、証明の穴埋め問題。選択肢もできて易しくなった印象です。空欄の後ろを見れば、(i)がどちらもBCを含んでいること、(ii)対頂角、ということがわかるのでそこから判断できますね。ここは誰もが落としたくないところ。
(イ)は、珍しく動点の問題。答えは、「AB//CP」だけでなく、例えば「AB⊥QO」も可です。二等辺三角形という条件から「あ、角が一緒ってことか」となれば楽チンです。
(ウ)は線分の長さを求める問題。「なんか模試で見たことあった!」とテンション上がっていた生徒がいましたね。Mrサークルにはあえて補助線なしの方法で解いてもらいました。でも、今後の神奈川入試には補助線は必須でしょうね。
以上で、各問題の解説は終了です。解答を載せておきます。
さて、それでは、来年度以降の受験生のために、目標別に解く問題のオススメを挙げていきましょう。狙い所というやつです。
目標点数が60点の場合、
- 問1 15点
- 問2 22点
- 問4 (ア) 5点
- 問5 (ア)5点
- 問6 (ア)4点 (イ)5点
- 問7 (ア)2点
計58点
ちょっと足りなくてごめんなさいです。足すとすれば問3の(ア)か(ウ)、問5の(イ)でしょうか。ただ間違いなく今年の平均は下がるので、この点数が取れれば合格者平均点は超えるでしょう。むしろ確率の(ア)と問6の(イ)が取れていたら、よく頑張りました、だと思います。
目標点数が90点の場合、
- 問1 15点
- 問2 22点
- 問3 (ア)(ウ) 9点
- 問4 (ア)(イ) 9点
- 問5 10点
- 問6 (ア)(イ) 9点
- 問7 11点
計 85点
それに加えて、
問3(ウ) 5点、問6(ウ) 5点、問6(ウ) 5点のいずれか
次に、高得点をとる組です。彼らにとっての最大の敵は、時間になるでしょう。何を解いて、何を解かないかの判断が、点数に直結していくと思います。
具体的に言えば、比較的難易度の高い問題である問3の(イ)、問4の(ウ)、問6の(ウ)の中から何を取りにいくかを決めるということです。ここは個人差あると思いますが、自分のこれまでの日々によって生み出される閃きに身を任せ、闇の中から光を掴みにいきましょう。
それでは最後に、新受験生の皆さんにおせっかいです。今回の入試を踏まえて、以下のことに気を付けて日々の勉強に取り組んでいけばいいというものを書きました。
①計算力強化:計算力を強化しましょう。まず分数の計算に慣れることです。分数ってだけで文句言わない。そして、途中式を見やすくきちんと書く癖を身につけましょう。
②別の解法を探す練習:特に上位層は、練習時、問題の正解を見つけたら別の解法を探す練習をしましょう。特に図形問題は必須です。「一解いて十を知る」を心掛けて、一本の道だけでなく何本の道を見つけるような勉強の仕方をしていかないと、気付きが生まれにくくなってしまいます。慣れてきたら、「問題を見た→5本の道が見えた!→一本ずつ通って3本目でゴールまでいけた!」のように練習していけると良いですね。興味を持ってこれができるようになれば、ぐんぐん力がついていきます。
③基礎の徹底:上記に加えて、基本的な問題に関しては「これの時はこれ!」と解法が瞬時に浮かび、手が止まらないようになるとベストです。演習を重ねて、閃かなくても手が動き続けるような状態を目指しましょう。
④時間配分:敵は時間です。テストを解く上で、時間配分や時短を意識して解く癖を身につけましょう。
こんなところでしょうか。
他の科目同様、小手先ではもうどうしようもなくなってきているのが入試問題です。テクニックのような邪道ではこれを突破できません。どうせ行くなら、上記に挙げたような勉強の王道を進みましょう。それが、受験だけでなく、きっとその先のあなたの未来にも役に立つはずですよ。
受験生の皆さんは、本当にお疲れ様でした。学校によっては、まだ19日も面接がありますね。最後まで気を抜かず、想いを目一杯ぶつけてきてください!
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
暗闇の向こうには、いつだって光がある。
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