塾の先生というお仕事柄、教科書をよく読みます。
活字中毒の僕にとって、教科書というのは、学びにもなるし、暇潰しにもなるし、仕事のためにもなるし、いわば一石三鳥の、いや、今回のテーマを含めて、一石四鳥ぐらいのアイテムになるんですよね。
そう、というわけで今回のテーマは「教科書は笑えるぐらい面白い!」ということ。
「え?教科書が面白い?頭おかしいんじゃないか、この犬」と思われたあなたも、騙されたと思って今回の記事を読み進めてみてください。
きっと、今よりずっと教科書の深遠なるその世界へ深く足を踏み入れたくなるはずですよ。
それでは早速参りましょう。今日は三省堂さんの「NEW CROWN(ニュークラウン)」二年生の内容を例題にして読み進めていきます。
英語2年 NEW CROWN L1 ALOHA!(P6)
このレッスンは冒頭、クミがポールに春休みについて質問をするところから話が始まります。ちょっとその会話を見ていきましょう。
Kumi: What did you do during the spring vacation?
Paul: I went to Hawaii. My uncle invited my family.
Kumi: Did you swim?
Paul: Yes, I did. I went shopping too.
Kumi: What did you buy?
Paul: I bought this aloha shirt!
この単元のメインの文法は過去形ですから、過去形がふんだんに使われていますね。まぁ、実際の会話でもよく使いますよね、過去形。
一般動詞の過去形の疑問文や否定文では、doではなくdidを使います。同じくdoが変化するdoesと併せて3つの使い分けをしっかりできるようにしておきましょうね。
do→通常 does→主語が三人称で単数、現在の文のとき did→過去の文のとき
さらに、覚えるのが厄介な一般動詞の過去形がいっぱい出てきます。
一般動詞の過去形には、基本的にedをつけるだけの「規則動詞」と、形がゴロッと変わる「不規則動詞」があるんでしたね。
ちなみに、「不規則動詞」というのは、その昔、英語という言語ができた時の言語闘争の名残の象徴です。同じ意味の単語でも、現在形と過去形で形が全然違うのは、各々が違う言語から選ばれて残ったものだからなんですね。
go系の言語とwent系の言語の戦いの末、現在形ではgo系が、過去形ではwent系が生き残ったということです。話題のスタディサプリでもそう説明していました。完全な余談でしたね。
現在形・過去形・3年生中心で出てくる過去分詞形・現在分詞形の形はリズムで一気に覚えてしまうのがオススメですね。音読しながらセットで覚えてしまいましょう。
さて、塾ブログっぽく文法の説明を簡単にしてきましたが、もちろん、これが面白いわけではありません。
面白さは訳してみればわかります。それでは、日本語訳をどうぞ。
久美:春休みの間に何をしたの?
ポール:ハワイに行ったよ。おじがぼくの家族を招待してくれたんだ。
久美: 泳いだ?
ポール:うん,泳いだよ。それに買い物にも行った。
久美:何を買ったの?
ポール:このアロハシャツを買ったんだ。
久美、あんまりこの話に興味なくね?
ポールのプチ自慢話に、さほどリアクションのないまま質問を続ける久美。極めつけは、「ハワイに行ったよ。おじが招待してくれてさ」を受けての一言。
「泳いだ?」
聞くこと、それ?
なんて風に、穿った見方で色々突っ込みながら訳していくと面白いということです。コツはちょっと性格を悪くしてどんどん突っ込むこと。それによりイメージが膨らんでほどよい刺激になります。結果、文章が頭に残りますよ。
また、教科書の挿絵では、ポールはハワイで買ったアロハシャツを着て久美と公園みたいな所で喋っているんですよね。学校から帰って公園に集合したのでしょうか。それとも、これまた嫌らしい見方をすれば、満を持して一日中アロハシャツを着て誰かの質問待ちだったのでしょうか。だとしたら、まさか最初の質問がこれだとは思っていなかったでしょう。
「泳いだ?」
oh…ポール…少し可哀想ですね。
ただ、挿絵を見ると話は結構盛り上がっているようです。どちらかというと久美が食い気味なんですよね。これ、絶対違う話しているでしょという疑念も湧きますが、もしくは、上記の本文は一部分だけが切り取られたもので、そのせいでなんだか雑な会話っぽくなってしまっているのかもしれません。
気になった方は、教科書の絵をぜひ確認してみてください。
さぁ、こんな調子で続いて、L1のUSEーRead部分に参りましょう。
英語2年 NEW CROWN L1 ALOHA!(P8)
8ページは、ポールが絵日記で春休みの内容を説明しているというものです。
公立の中学校では春休みは基本宿題が出ませんから、この絵日記は自主的なものということでしょうか。授業で書いたのかな。どちらにしても、素晴らしいですね。絵も抜群にうまいです。ここも英文を見てみましょう。
Sunday, March 27
Aloha!
Today I went to a museum.
I saw the hula there.
A dancer talked about the hula.
He said, "The hula is our traditional dance. Some dances tell stories from our history."
Later I joined a hula lesson.
The actions in the dance have meanings.
I learned the actions for 'flower' and 'tree'.
I really enjoyed the lesson.
ここでもやっぱり過去形が盛りだくさんで使われていますね。
今回は、フラについてのお話です。フラは、ハワイに古くから伝わる総合芸術。ダンスだけではなくて、楽器の演奏や歌唱も含み、ハワイの歴史や信仰と深く結びついているといいます。
日本語訳はこちら。
3月27日(日曜日)
アロハ(こんにちは)!
今日は博物館に行きました。
そこでフラを見ました。
ダンサーがフラについて話しました。
その人は「フラは私たちの伝統的な踊りなんだよ。私たちの歴史を伝えている踊りもあるんだ。」と言いました。
そのあと,ぼくはフラのレッスンに参加しました。
フラダンスの動きには意味があります。
ぼくは「花」と「木」を表す動きを覚えました。
レッスンは本当に楽しかったです。
3月27日が日曜日だったのは、2016年ですから、これは約3年前のお話ということですね。ちなみに、3月のハワイはクジラウォッチングやホノルルフェスティバルが人気だそうです。
ちなみに、こちらが「木」の動き。ハンドモーションと呼ばれているんですね。
これが「花」の動き。
今回、なかなか難癖がつけづらい文章です。苦肉の策で動画を貼ってみましたが、いかがでしたでしょうか。
まぁ、あえて指摘するとすれば、教科書左部分にある「木」と「花」の動きをしてくれている方が本文中のダンサーなのかと思っていたら、そのすぐ下にHeとあって、生徒と一緒にちょっと驚いたってことぐらいですかね。思えば、あの絵がダンサーだったのかな。
体育が得意なポールですから、キレのあるフラダンスを披露したことでしょう。
ウキウキのハワイ旅行ですが、ちゃんと博物館に行って歴史を学ぶあたり、ナイスポールと褒めたいところです。うむ、今日はこの辺で許してあげましょう。
どうですか、突っ込みながら本文を読む。
ハマりそうでしたら、ぜひL2にもチャレンジしてみましょう。突っ込みどころ満載のピーターラビットのお話です。
さぁ、楽しんで。
続きはこちら。
3年生バージョンはこちら。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
これをだらだらユーチューブでやろうと話していたんですよね。
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