「いい塾をつくりたい」
初めてお会いして一時間もしないうちに、僕は目の前の先生のファンになっていた。
先生が初めてのチラシを作る際に選んだキャッチコピーは、時代の変化の中でその中身を少しずつ変えてはきたけれど、今もその言葉や想いは変わらずに、共に働く仲間たちとの共通認識の根底にある。きっとこれからも、それはずっと変わらないのだろう。
「いい塾をつくりたい」
きっと僕もそうだから、あっという間に先生のファンになったのだと思う。
ちくしの進学教室は、福岡の筑紫野市にあるすごい塾である。
SNSを通して知り合い、この度、横浜でお話しさせていただく機会をいただいた。大きな刺激と学びをいただいたことは言うまでもない。なんだか折角お越しいただいたのに、僕ばかり色々なものをいただいてしまった。
先生の視点は、僕よりもだいぶ高めにあって、業界のこととか地域貢献のこととか一緒に働く仲間のこととか、いい意味で僕の考えを根底から揺さぶってくれた。
「いい塾をつくりたい」。じゃあ、「いい塾」ってなんだろう。受験に強いとか、成績が上がるとか、成長するとか、ワクワクするとか、その定義はもちろん様々だろう。その中で、違う文脈の中ではあるけれど、先生の言った言葉が強く印象に残っている。
「塾が第二の母校になりますように」
生徒にとって、いつでも「帰る場所」があるということ。そこがいつまでも変わらないという安心感。だから、「なるべく長く続けたいんですよね」と先生は言った。その為に一人ではなく、仲間と一緒になって素晴らしい場をつくっていると。
うちは「第二の家」というコンセプトで、僕一人でやっているんだけれど、たしかに僕の身に何かあったら生徒たちに迷惑がかかってしまうなという不安もある。それに、話を聞いていて、やっぱり仲間がいるっていいなと思った。
今はまだ全然考えていなかったんだけど、いつか、僕にもそんな仲間ができたらいいなと思う。
先生はこんなことも仰っていた。
「私たちが塾を始めたのは20年近く前。当時、駅前はね、まだまだ暗かったんですよ。でも、塾はさ、夜までやっているでしょ。明かりをどんどんつける。駅前がさ、明るくなると、やっぱり安心だよね。誰にも褒められたりしたことはないけど、そんなことでもちょっとは周りの人のためになれたかなっていう気持ちもあるんですよ」
そんなお言葉を聞いて、僕はある歌の歌詞を一瞬思い出した。
飲み込んで吐き出すだけの 単純作業繰り返す自動販売機みたいに この街にボーっと突っ立って そこにあることで誰かが特別喜ぶでもない でも僕が放つ明かりで 君の足下を照らしてみせるよ きっと きっと
Mr.Childrenの「Worlds end」という曲の一部である。
もちろん先生の塾の場合は、飲み込んで吐き出すだけでも、単純作業を繰り返すだけでも、誰かが喜ぶわけでもないわけでもないのだけれど、放つ明かりが誰かの足元を照らしているというのは同じ。
その教室が放つ明かりで、知らぬ間に救われる人がいるかもしれない。いや、絶対にいる。
その歌詞は、こう続く。
誰が指図するでもなく 僕らはどこへでも行ける そう どんな世界の果てへも 気ままに旅して廻って
たまたまだけれど、先生のお言葉とも重なる部分があって、にやけてしまう。
僕らは自由にどこへでも行ける。先生は、年に2回は必ず勉強のために色んな塾を見に行ったり話を聞きに行ったりしているそうだ。僕が知っているすごい先生方はみんなそう。どんどん貪欲に色んな場所へ行って、色んな人と会って、自分の世界を広げている。
僕はビビリだから、なかなか自分から動けないのだけれど、もうちょっとアグレッシブに動いてみなくちゃなと思った。たった一時間半で、こんなに学びと刺激をもらえる出会いが、きっとあちこちにあるのだから。
「勉強犬先生ならもっと色んなことができそうな気がする」
今井先生がそう言ってくれたから、ちょっと自信もついたし。
暗闇に包まれた時 何度も言い聞かせてみる いま僕が放つ明かりが 君の足下を照らすよ
僕も色んな誰かの足元を、もっとちゃんと照らせるように。
何にも縛られちゃいない だけど僕ら繋がっている
縛られはしないけれど、僕らを繋いでくれる線がある。遠く離れていても、そんな風につながれる時代に生きているんだから。
どんな世界の果てへも この確かな思いを連れて
「いい塾をつくりたい」
そんな確かな想いを連れて、旅に出よう。
今井先生がそうされているように。
そんな想いを抱えている、素晴らしき先生方に、会いに行こう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
今井先生、改めて、ありがとうございました。
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