僕の母の実家は、静岡県の湖西という場所だ。
神奈川県から見れば、浜名湖の向こう側。愛知県寄りで、静岡市よりは浜松市に近い。車で向かうことが多いのだが、僕は新東名高速道路よりは旧東名の方が景色が好きだ。海が広がる。帰省といえばお盆の時期が多いから、いつもクーラーをガンガンなのだが、海が見えれば窓を開ける。潮風を感じながらのドライブが最高だ。ちなみに、いつも右ルートを選ぶ。
静岡県を横断していくわけだから、どうしたって静岡の町並みに愛着が湧く。伊豆では一碧湖で溺れかけたし、清水では会社の研修で60キロ歩かされたし、足柄パーキング付近では車がエンストした思い出がある。しまった。いい記憶がない。いやいや、逆に悪い記憶がそれぐらいしか見つからないのだ。
特に、浜松は帰りによく寄った。浜松祭りにも何度か行った。志都呂のイオンモールのだだっ広い駐車場で車をどこに停めたのかわからなくなって一時間近く彷徨っていた思い出もある。また見つけてしまった。忘れよう。最近そんな浜松はベンチャー企業支援にも力を入れていて、住みやすい街としてもだいぶ盛り上がっているらしい。
そんな浜松を拠点とするフットサルチームが、アグレミーナ浜松だ。
この度そんなアグレミーナ浜松の選手の方とご縁があって、初フットサル観戦に行ってきた。
アグレミーナ?フットサル?聞いたことないという方もいると思うので、一つずつ説明していこう。
アグレミーナ…スペイン語の「アグレッシヴォ(攻撃的)」+「レイ(王様)」+「ミーナ(たくさんの宝物)」の3語を足してできた造語。
浜松…静岡県西部の市。徳川家康の居城となり、井上氏らの城下町、東海道の宿場町として発展。織物・楽器・自動車工業が盛ん。
フットサル…室内で行われるサッカーに似た競技。バスケ以上のスピード感で、見る者を熱くさせる。
お分かりいただけただろうか。アグレミーナ浜松、だいぶアグレッシブな名前である。さらにすごいのは、運営会社が「アングイア浜松」という名前だったことだ(現在は違う)。アングイアは、イタリア語でウナギの意。浜松という土地にちなんだものだとはわかるが、なぜ。
疑問は残るが、このままだと全然終わらないから、結論から言おう。
めっちゃ楽しかった。
楽しかった理由をまずは箇条書きにしてみる。
- 横浜の平沼記念体育館で行われたのだが、距離が近くてエキサイティング。ただちょっと暑い。いや、ちょっとじゃない。灼熱。
- コートも狭く、バスケみたいなスピード感。交代もいちいち止めないので、スピーディー。しかも選手がコロコロ変わるし、一気に5人変わったりする。展開が早くて目が離せない。
- ボールが外に出たときやファウルがあると時間止まる。互いのゴールも近いから、みんなで守ってみんなで攻めて攻守の入れ替わりが早い。だからサッカーの後半みたいな無駄なだらだら遅延がない。サッカーもあれ無くせばもっと人気出ると思う。
- ボールを持っている選手を守備側が手で押すことができるので、その攻防も楽しい。
- 瞬発的なテクニックの応酬がすごい。シュートに触れて弾道を変えるなど神業。
- ファウル5つでフリーキックチャンス。だから、割と接触は多いけれど、クリーンファイト。
- マイナースポーツということもあって、ファンサービスの距離が近い。
- 選手紹介のユーモア要素が好き。
- 応援団の応援が覚えやすくていい。
- 野球の外野席のような雰囲気で、みんなでワイワイ応援できるのがいい。
平沼記念体育館は、神奈川トップ校の横浜翠嵐高校のすぐ近く。終戦後に横浜の復興に力を尽くした平沼市長の名を冠した歴史ある体育館である。クーラーが効くとより良い。
試合前には、元日本代表の遠藤や、解説のセルジオさん、松木さん、そしてアルゼンチンからバティストゥータさんの姿も。決して近付いてはいけない。
チアガールたちや巨大な鳥も出現。会場はお祭り騒ぎだ。
そして、こちらがアグレミーナ浜松の面々。
若干ヒゲ率が高い気も致しますが、イケメン揃い!トップ争いをする実力派チームでもあります。
さぁ、そして試合開始。
そこからは試合の展開が早すぎて写真が撮れないィィィィィイ!
決して撮り忘れたことをテンションで誤魔化しているわけではありません。
我らがアグレミーナ浜松の相手は王者横浜。胸の吉野家が気になりすぎてお腹が減ってきます。相手を食欲で崩すという斬新な作戦。
試合はお互いに素晴らしいプレイを連発。もうね、叫びすぎて声が枯れ、叩きすぎて手が腫れました。初めて見たけど、フットサルはそれぐらい興奮するスポーツ。体育館の熱気も相まって、身も心も熱い!
高速パス回し。ボールの奪い合い。ゴールキックから狙う相手ゴール。超高速ドリブル。シュートしたボールにちょこんと足を当てて軌道をずらしてゴールを狙うシュート。何言ってるかわかりますか?味方のナイスプレイ時の声援とガッツポーズ。セーブした時の雄叫び。
それにしても、このスポーツはとてつもなくハード。みんなずっと動きっぱなし。接触も多いから、怪我の危険性も高い。それでも勇猛果敢に相手のゴールを狙う&守る姿勢は、シンプルに格好良かった。
失敗を恐れず前を向く。転んでも立ち上がる。逆境も仲間同士で鼓舞しあい、力を合わせて勝利を掴もうとする。それはスポーツで言えば当たり前のことなのかもしれないけれど、その当たり前が、見る者の胸を熱くさせるのだから素晴らしい。
それに、あれだけ動いた後なのに、試合後に選手たちは、入口付近で一緒に写真撮影などに応じてくれる。冒頭の写真は、そこで副キャプテンの鷲北選手とゴレイロ(念能力者ではなくてゴールキーパー)の伊名野選手に、一緒に撮っていただいたものだ。お二人はチームのムードメイカー。試合中のパフォーマンスでも会場を湧かせていた。
もう一度言おう。
あー、楽しかった。
また行こうと思った。
帰り際、体育館から駐車場へと歩きながら、僕は今日のことを振り返る。
浮かび上がる選手たちの真剣な眼差し。試合中のガッツ。試合後の気さくな笑顔。
ドクン、と胸が高鳴った。
ついでに、軽い目眩とぼやけた視界。太陽が眩しい。
あ、これ、恋じゃなく、暑さと齢による動悸か。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
でも、アグレミーナ浜松やフットサルが素晴らしいのは本当。拙い観戦記でした。ありがとうございました。
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