子どもは、知らず知らずのうちに、大人の背中を見ているものです。
こういう場面ではどうするのがいいのか。何を大切にすべきか。言い方、行動の仕方、考え方。言葉遣いに、人との接し方。ありとあらゆるものを基本的には何かの真似から入ります。
その中でも、一番身近にいる大人、つまり親の影響は大きいですよね。当たり前です。
親の行動、振る舞い、考え方。そこから、彼らは多大な影響を受け、人として大切なものを少しずつ学んでいくのです。もちろん、それがすべてではないですが、彼らの基本的な価値観がそこから生まれることも多いでしょう。
親側でもそのことをしっかり意識しておかなければいけません。
ちょっと怖い例をいくつか挙げておきましょう。子どもたちの前で、こんなことがあったらどうでしょうか。
「嘘をつくな」と言っている親が、営業セールス相手に居留守を使っていたら?
「言葉遣いは丁寧に」と学校で教わった夜に、親がTVの中の誰かを罵倒していたら?
「わからないことがあったら調べなさい」と何処かで聞いたのに、目の前で親がわからないことをそのままにしていたら?
「あ、あれって嘘で、実はこういうことなんだ」と、子どもは勝手に納得をして、身近で大切な存在である親の価値観に自分の価値観を近付けていきます。これは意識的にも無意識的にも起こります。
ですから、止むを得ず親が子どもの価値観を揺らがすような行動をする場合は、その行動について、意図や理由を伝えることが大切です。いっぱい対話しましょう。
勉強についても同じです。例えば「勉強は大切」という親が、勉強している姿を見せたことがなく、勉強していた事実や過去、またはその大切さを伝えていなければ、勉強することの重要性は子どもになかなか伝わらないでしょう。「した方がいいけど、しなくてもいいもの」程度の価値観になってしまえば、ゲームやスマホに負けちゃうのは当然です。
細かいところで言えば、家族でお出かけする際に「まだ宿題やってない…」と言う子どもに対して「そんなの後でいいよ」と言う親が、違う機会で「勉強は大切」といくら言っても、なかなか信じられませんよね。
子どもの価値観は、親が創る。
もちろんそれがすべてではない。もちろんそれがすべてではないけれど、もしも納得感があったら、頭の片隅にでも置いておいていただければ幸いです。念のためのお伝えですが、決して誰かを責めているわけではありません。いつかの自分への戒めとして書きました。
最後に。
心理学者のレヴィンは「人間の行動は、その人の特性と、環境との相互作用によって決まる」と言いました。
子どもの価値観は親が創る、と大層なタイトルをつけましたが、環境が同じでも、同じ人間が育つことはありません。例えば、子どもが問題行動をする理由が、すべて親にあるわけではありません。そのことを併せてお伝えしておきます。
子育てには答えがない。だからこそ、一緒に考えていきたいと思います。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
子育てにも、人生にも、「これでいい」という決まりきった正解はない。
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