神奈川県公立高校入試面接シートの書き方3つのポイント。困った時の記入の仕方のコツもお伝えします。


神奈川県公立高校入試では「面接」が行われます。配点は、多くの高校で1000点満点中の200点分です。重要ですよね。


ただ、対策は決して難しいわけではありません。『質問の答え方がわかる大問先生の面接攻略法』でも詳しく説明していますが、当日は、大きな声でハキハキと相手の目を見ながら、訊かれたことに答えましょう。大事なのは、準備です。


「え、どうやって準備するの?」と慌ててしまう方もご安心ください。訊かれる質問はある程度予測がつきます。選考基準に「面接の評価の観点」という項目があるのをご存知ですか?まずはそちらを確認しましょう。後ほどこの記事でも詳しく説明していきますね。


そして、面接のタイミングであなたの最強の武器になってくれる心強い味方が「面接シート」です。今日はそんな面接シートの書き方を記していきましょう。


まずは面接シートを書く際に意識しておきたい大事な3つのポイントをお伝えします。その後に、具体的な書き方のヒントを書いておきますね。



面接シート記入における大事な3つのポイント



面接シート記入における大事なポイントを3つご紹介します。


1、二本の矢印を意識すること


1つ目の大事なポイントは、2本の矢印を意識するということです。これは面接シート記入だけでなく、面接自体においても重要で、しかもこの先の人生でいつでも使える考え方の一つです。しかし、今のところなんのこっちゃですよね。下記の図をご覧ください。

この青と赤の矢印が2本の矢印です。青は生徒から学校へ、赤は学校から生徒へ向いています。面接における最も重要なポイントと言っても過言ではない、この2本の矢印の正体を見てみましょう。


青は「そこ(その高校)じゃなきゃダメな理由」、赤は「あなたじゃなきゃダメな理由」です。この2本の矢印を意識しながら面接シートを記入したり面接で受け答えしたりすることがポイントです。


青の「その高校じゃなきゃダメな理由」は、どんなものかイメージつきやすいですかね。面接官にあなたの志望動機を伝えた時に「え、それ他の高校でもよくない?」と思われたらダメということです。


赤の「あなたじゃなきゃダメな理由」は、相手の高校に「あなたを合格させなくちゃだめだね」と思ってもらえるようにしなければならないということです。その理由をあなたが自らアピールするのです。例えば「僕サッカーめっちゃ上手いんです」と野球チームにいくらアピールしても採用してくれるわけがありません。相手の求める人物像を把握し、自分の中にあるそこに近い要素をアピールしましょう。あとでもう少し簡単に言います。


面接シートの記入時には、この2本の矢印を意識しましょう。



2、具体的に書くこと


2つ目のポイントは、具体的に書くということです。


具体的とは、わかりやすく言えば、自分と相手が同じものをイメージできるということです。例えば、「野球選手を思い浮かべて」だとお互いの思い描く人は異なりますが、「イチローを思い浮かべて」だときっと一致しますよね。野球選手よりもイチローの方が具体的ということです。


面接シートには、この具体性が重要です。相手が読んだり話を聞いたりしながら、自分と同じイメージを持てるように、伝えることを心がけましょう。具体性を高める書き方のコツは後ほどご説明します。



3、見やすく書くこと


最後のポイントは、丁寧に見やすく書くということです。字が汚いという人もご安心ください。大事なのは、丁寧に書こうとした意思が伝わるかどうかです。そんな方はなるべく丁寧に、少し大きな字で書きましょう。


面接官は一日に何百枚もの面接シートに目を通します。そんな時に汚く細かい字で書いてある面接シートがあったら、印象はどうでしょうか。マイナスになるかもしれないポイントを準備段階で作っておくことは避けましょう。



以上が、面接シート記入時に意識しておきたい3つのポイントです。では、ここからは面接シートの各項目の具体的な書き方のアドバイスをしていきましょう。



面接シートの書き方


面接シートの記入欄は、大きく分けて、「1なぜこの学校に入学したいのですか」「2中学校での教科等の学習活動に対して、どのような意欲を持って取り組みましたか」「3中学生のときに教科等以外の活動に対して、どのような意欲を持って取り組みましたか」「4自分自身のよいところはどのようなところだと考えていますか」の4つに分けられます。


本日はその4つに分けて、書き方のヒントをお伝えしていければと思います。が、まずは各項目を考える際に必要な「何かを考えるときに使えるテクニック」をお伝えしておきたいと思います。


それは箇条書きです。


「おいおい、箇条書きかよ」と思ったあなたも、箇条書きを舐めてはいけません。思考の整理にはどんどん書き出すことが大切です。可視化すると整理されるんですね。例えば志望動機なら、


  • 近い
  • 鉄道研究部が魅力的
  • 学校訪問の時に迷っている自分に先輩が丁寧に優しく道案内してくれた
  • 帰り道に商業施設で遊べる
  • 私服
  • 校歌がいい歌
  • 校長先生の名前が自分と同じ(シンパシー)


みたいな感じでどんどん書き出していくわけです。たわいのないことでも書き出しておけば、思わぬヒントになりえるかもしれません。重要なものは後からピックアップすればいいのです。


さて、それを踏まえた上で、各項目の書き方を見ていきましょう。


あ、その前に一つ注意点です。面接シートの書き方には正解があるわけではありません。ここで紹介するのはあくまで一般的な書き方のヒントになります。ただ、あなたと志望校の間には、あなたにしか書けない面接シートがあるはずです。一般的な書き方に沿ったものよりも、その方がとっても魅力的ですよ。見やすく刺さりやすい最高のラブレターを書き上げちゃってください。以下の内容は、困ったら参考にするぐらいがオススメです。



志望動機(なぜこの学校に入学したいのですか)


まずは一番上からです。志望動機ですね。


これは3つのポイントのうち、青い矢印「その高校じゃなきゃダメな理由」を意識して書かなければなりません。「え、それ他の高校でもよくない?」と思われたら面接官の胸に響きません。


ここで一つオススメの「その高校じゃなきゃダメな理由」の作り方をお伝えしておきましょう。それは三本合わせ技という方法です。


1つの理由だけだと難しい他校との差別化を、3つの理由をくっつけて行うというものです。なお、これを使うとフォーマットも完成して文章を書きやすいです。


私が貴校を志望した理由は3つあります。一つ目は〇〇です。〜。二つ目は〇〇です。〜。三つ目は〇〇です。〜。以上のことから、私は貴校を志望します。


みたいな感じですね。この方法を使うと「その高校じゃなきゃダメな理由」は伝えやすいです。ただ、定型文的な感じで面白みに欠けるのがデメリットですね。


どうしても書けない、どうしても面接でうまく答えられない、という方は参考にしてみてください。大事なのは、あなたにとっての「その高校じゃなきゃダメな理由」がちゃんと相手に伝わることです。



中学校で頑張ったこと(中学校での活動に対して、どのような意欲を持って取り組みましたか)


続いては、中学校で頑張ったことです。勉強編とそれ以外編を併せて見ていきましょう。


ここでの重要なポイントは「具体的に書く」ということです。4つの項目のどこにおいても大事なのですが、この2つの項目では特に重要です。自分の頑張ってきたことを具体的にアピールしなくてはなりません。


「数学を頑張りました」なんて文は、具体的の逆の抽象的です。「あなたがどんな風に頑張ってきたのか」がイメージできませんね。


「学校の授業で進んだ分のワークのページを毎日必ず家庭学習で進めました」など、あなたの頑張りを面接官がイメージできるようにしましょう。


では、「具体的な文を書くコツ」をここでお伝えしましょう。それはエピソードを使うことです。エピソードとは物語のことですね。


物語で書いたり話したりすると、内容は自然に具体的になっていきます。それに、人間は物語が大好きで、物語を伝えられると、ついつい聞き入ってしまいます。伝える側にとっても、伝えられる側にとっても、物語とは魅力的なのです。


ではどんな風に物語を作ればいいのでしょう。ここでも定型文的になりますが、オススメは過去と現在と未来をつなげることです。例えばこんな感じですね。


過去の僕はこうだった→こうやって頑張ってこんな結果を出した→高校でもこうしていきたい


太字の部分が、具体性を求められている部分です。数字などを使えるとより具体性が増しますね。


ただ、面接シートでは文字数も限られていますし、「過去の僕はこうだった」の部分は削ってもいいでしょう。小さい面接シートのスペースと短い面接時間の中でわざわざ自分のネガティブなところを見せなくてもいいですしね。


さらに欲を言えば、この「中学校で頑張ったこと」の部分が、2本の矢印に沿っているとベストです。この項目に「そこじゃなきゃダメな理由」「あなたじゃなきゃダメな理由」が盛り込まれていると、一本芯が通って相手に響きやすいですね。印象に残りやすいということです。


あなたじゃなきゃダメな理由」の盛り込み方は、以下でも説明していきますね。


自分の頑張りを具体的にアピールしましょう。



自己PR(自分自身のよいところはどのようなところだと考えていますか)


さぁ、最後の項目です。最後は自己PRですね。


ここで意識するのは、赤の矢印「あなたじゃなきゃダメな理由」をちゃんと盛り込むことです。面接官に「この子に入学してほしい!」と思わせたら勝ちですからね。


でも、どうやって盛り込めばいいのでしょう。方法を見ていきましょう。


まずは自分自身のことをよく知りましょう。ここで箇条書きの出番です。まずは自分の長所をどんどん書き出してください。


ただ、自分の長所を書き出すというのは意外と難しいものです。詰まってしまった方は、今度は短所を書き出してみましょう。どうですか、結構スラスラ出ませんか?


「え、なんで自己PRなのに短所が必要なの?」と思った方もいるでしょう。でも、実は長所と短所は裏表。ひっくり返せば、短所は長所になるのです。ちょっとやってみましょう。


  • 落ち着きがない→行動的
  • うるさい→元気
  • 消極的→慎重派
  • 頑固→こだわりがある
  • すぐ落ち込む→繊細で物事の機微に敏感
  • 騙されやすい→素直


みたいな感じです。書き出した短所はどんどんひっくり返して長所にしましょう。自分の自信にもつながりますしね。


さて、これで準備は整いました。自分の中の長所が出揃いましたかね。それでは今度は相手の求めるものを見つけにいきましょう。もう少し具体的に言えば「相手の高校が求める人物像・生徒像」というやつですね。


これは冒頭に書いた「選考基準」や各高校のパンフレット・HPなどを確認し想像するしかありません。例えば入試得点比率が内申重視であれば「真面目にコツコツ頑張れる子を求めているな」と読み取れますし、校長先生の挨拶の中に「こんな人間になってもらいたい」というものが書いてあることもあります。学校の雰囲気からも読み取れるかもしれません。元気な学校は元気な子を、落ち着いた学校は落ち着いた子を求めるみたいなことです。



志望校が求める人物像を想像したら、先ほど自分の中で見つけた長所を、その「相手の求めているもの」と照らし合わせ、どこをアピールしたらいいか決めましょう。


そして、その長所を記述していくのです。ここでもエピソードが使えますね。


これであなたの面接シートはもうすぐ完成です。少しでもこの記事が参考になったなら嬉しいです。



補足


だいぶ長くなってしまいましたね。ここからはちょこちょこ付け足しです。「え、ここまで考えるの?」という細かい部分にも触れていきます。気にしすぎもよくないので、あくまで参考程度にご覧ください。読まなくてもいいです。それこそ箇条書きスタイルで随時付け足していきますね。


・「高校で頑張りたいこと」への対策は?


面接シートへの記入はないですが、選考基準における面接の評価の観点の中には「高校で頑張りたいこと」についての項目があります。これも上記の項目と同様、2本の矢印を意識かつ具体的に答えられるようにしておきましょう。「お、こんなことも知ってるの?よく調べてきてるじゃん」と面接官に好印象を与えられる場面でもあります。ただ、調べたことの羅列は無意味ですよ。ちゃんと2本の矢印に沿わせることを意識してくださいね。


・面接シートに「突っ込みたいポイント」をあえて作っておいて、面接の時に突っ込ませる件


これは高等技術。質問誘導というやつですね。これができると面接が楽ちんになりますが、そもそも訊かれる内容がほとんどわかっている高校入試ではあんまり考えなくてもよいでしょう。


・面接の練習をしたい!


学校の先生にガンガンお願いしてみましょう。お風呂とかで自分で相手役やるのも良い練習になりますよ。友達にカジュアルに同じ内容を話す練習をしておくと、ただの暗記じゃなくなるのでオススメです。


本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

2022年10月19日追記。


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塾という場所が好きです。生徒の成長する姿を見るのが好きです。生徒や保護者と未来の話をするのが好きです。合格や目標を達成して一緒に喜ぶのが好きです。講師と語り合うのが好きです。教材とにらめっこするのも好きです。新しい人と出会うのも好きです。藤沢の街が好きです。ブログも、好きです。

勉強犬

「第二の家」学習アドバイザー。
世界中に「第二の家」=「子どもたちの居場所であり未来を生きる力を育てる場所」を作ろうと画策中。元広告営業犬。学生時代は個別指導塾の講師。大手個別指導塾の教室長(神奈川No,1の教室に!)・エリアマネージャーを経て、2015年ネット上で「第二の家」HOME個別指導塾を開設。2019年藤沢にHOME個別指導塾リアル教室を開校。