これは読んで学ぶRPG風のお話です。
物語を楽しみながら、各科目の勉強法や、
勉強力、STAR勉強法について理解いただけたら幸いです。
【STUDY★QUEST 過去のお話】
1 はじまりの物語
2 襲いくるモンスター
3 勉強力を上げる3つの修行
4 魔王城に待ち構えるボスキャラクター達
5 勇者の目覚め
【STUDY★QUEST 前回までのあらすじ】
これは突然異世界に飛ばされた成績オール3以下の中3男子が勇者になるお話。旅の仲間は、勉強の精霊スターマン(嫌な奴)と美少女シンシア(可愛い)と大賢者モンテスキュー(おじいちゃん)。 この世界では【勉強力】と呼ばれる力が戦いを左右する。勉強力を上げる3つの修行へ身を投じ、前回ほとばしる謎の力による「光の矢」で強敵ツミカサネカモクを撃退した主人公。はたして勇者の光の矢の正体とは!?そして、この謎多き世界を救うことができるのか!?
STUDY ★ QUEST
第6話「現実に戻る瞬間」
「ねぇ、光の矢って何?」
シンシアと大賢者モンテスキューを魔法で回復させているスターマンに、僕は気になっていたことを訊いてみる。
「なんだそれは?狂ったか?」
そっぽを向いたままスターマンが答えたので、さらに追求してみる。
「とぼけるなよ。さっき呟いたろ。勇者の光の矢って」
観念したのかスターマンは溜息を一つ吐いてから答える。
「馬鹿なくせに耳だけはいいんだな」
そうそう昔から聴覚検査は得意だった…って、馬鹿は余計だ。
完全に悪口だが今は我慢だ。
怒りの我慢の仕方というものを以前学校の先生から教わった。
授業を中断しての雑談みたいなものだったから、ほとんどの人は聞いちゃいなかったけど、
僕はなぜかいつにも増して集中をしてその話を聞いていた。先生は言った。
「怒りは発散しようとすればするだけ込み上げてくる。怒りを我慢したければ静かに座るのが一番」
僕はそれを思い出して、静かに座りながらスターマンに話しかけている。
「今後の旅のために、頼む!知っていること、教えてくれ」
僕は頭を下げた。そんな自分に驚いたが、意外と悪い気はしなかった。
これも結局は自分自身のためだ。謎の打算が僕の頭の中にはあった。
その姿を見て何を思ったのかは分からないが、スターマンはしばらく黙った後、ぼそりと言った。
「光の矢は勇者だけが使える必殺の武器、ってことだけだ。俺が知っているのはな」
心なしかいつもより声が優しいような気がした。照れたのかすぐに続けた。
「だからって俺はお前が勇者だと認めたわけではないぞ」
はいはい。
「でも、そっか。どうやってあれを出すのかはわからないか」
あの光の矢はとっても魅力的な武器だ。
あれが使いこなせれば、勉強力が全然敵わない敵相手でも、臆することなく立ち向かえる。
それに何より、あの光り輝く矢が飛んでいくSEと効果は、なんだかとっても勇者っぽいじゃないか。
邪念だらけだけど、どうにかまた使いたい。
さっきから手を前に伸ばして動作だけはあの時の真似をしてみるけれど、一向に光が出る気配はない。
定番の「誰かのために」っていう想いのパワー系かなとも思って、
「シンシアのために」とか「大賢者のために(一応)」とかも思ってみるけれど、
パワーがみなぎってくる様子もない。疲れているからかな。いや、邪念だらけだからかも。
光の矢が出た時のことを振り返ってみる。
そうか、あれが発射される前に僕は「どうせ死にはしない」と思った。
もしかして、そんな開き直りがあの奇跡を生んだのかもしれない。
「ねぇねぇ」とそれを訊いた僕に返ってきたスターマンの答えは衝撃的なものだった。
「普通に死ぬぞ。この世界は夢などではない。現実だ」
え?
スターマンは「なんなら試してみるか?」とその手にエネルギーを溜めたまま僕に凄んだけど、
もちろん遠慮した。
そこから城までの道中、
僕は夢と現実の間で悩み続けていたが、
転んだら普通に痛かった。いくらつねっても夢が覚めることはなかった。
これは、もしかしたら夢じゃないかもしれない。
苦悩している間に、僕らは城へと着いた。
「吾輩がナツヤスミ城の城主、ホメオスタシス三世であーる」
またキャラの濃い方が登場した。
つづく
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
ここから話は急転直下!の予定。
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