『Mr.Childrenから学ぶ名もなき勉強術』という記事を書いた時に、「あれ?あなた、サザンファンじゃなかったっけ?」という声を幾つか頂いた。
そうです、私、サザンファンです。
生徒に「サザンオールスターズって知ってる?」って訊いても「名前だけは」なんて返しが多くなってきている昨今、子どもたちにサザンオールスターズっていう素晴らしいバンドがあるよってことを改めて具体的に伝えるためにも、今回は私にとって禁断の領域とも言えるサザンオールスターズもとい桑田佳祐さんについて触れていきたいと思う。
え?なぜ禁断かって?それは好きすぎるからだ。溢れる想いが止まらない。
だから今まで触れずに来たけれども、そういえば桑田さんも活動再開の時に言っていた。「楽しめるときに大いに楽しもうじゃないか」。その通りだ。溢れる情熱のまま書き殴ろうではないか。今年、デビュー40周年だしね。
というわけで、自己満ブログのスタートです。
サザンオールスターズとは
サザンオールスターズの名前を知らない人は、生徒にもさすがにそんなにいなかったから(湘南だしね)、ここで改めて紹介しなくても大丈夫だとは思いますが、念のため。
サザンオールスターズとは、日本を代表するロックバンドである。1980年代、1990年代、2000年代、2010年代の4世代においてオリコンランキングで首位を達成しているまさにモンスターバンドだ。私が生まれる前から活動をしているまさに生けるレジェンドである。
メンバーは、ボーカルの桑田さん、ベースの関口さん、ドラムの松田さん、パーカッションの野沢さん、そしてキーボードの原さんの5人組。私と同じAB型が誰一人としていないバンドである。ちなみに、桑田さんと原さんはご結婚されて公私ともどものパートナーでもある。
もちろん名曲も多い。いくつか挙げていこう。YouTubeで聞いてもらいたかったのだが、サザンの曲はそもそもそんなにYouTubeにあがっていない。というわけで、サザン名義ではなくて桑田さんソロ名義の名曲「明日晴れるかな」に乗せて、いくつか曲を紹介していこう。
サザンと言えば、デビュー曲でもある「勝手にシンドバッド」。強烈なイントロから始まるその曲はリスナーに衝撃を与えた。そこから伝説は始まったのだ。
サザンと言えば夏!海!「いなせなロコモーション」や「希望の轍」「HOTEL PACIFIC」や「君こそスターだ」、「みんなのうた」や「涙の海で抱かれたい 〜SEA OF LOVE〜」など枚挙に暇がない。
バラードにも名曲が多い。「いとしのエリー」「涙のキッス」「真夏の果実」はもちろん、300万枚近いセールスを叩き出した伝説の名曲「TSUNAMI」。「シャララ」や「栞のテーマ」などこちらも挙げたらきりがない。
変な歌もある。変といってももちろん名曲だ。またここではコメントしづらい内容の曲もあるのでまとめておく。「 愛の言霊 〜Spiritual Message〜」や「01MESSENGER 〜電子狂の詩〜」、「マンピーのG★SPOT」や「 LOVE AFFAIR 〜秘密のデート」、「エロティカ・セブン」や「 ボディ・スペシャル II (BODY SPECIAL)」なんかがそれに当たる。ライブでは超盛り上がる曲たちだ。
語りだすと止まらなくなるので、ここらで次の話に移ろう。これだけで終わるわけにはいかない。
サザンが好きだと勉強ができるようになる?
読者のみなさんもおわかりだとは思うが、これはいわゆる仮説だ。事実かどうかは確認のしようがない。
今回はサザンの凄さを伝えていく記事になる予定だが、やはりここは塾ブログ、勉強とのつながりも大切である(今更かという声は丁寧にスルーします)。というわけで、サザンが好きだと勉強でも得するよって観点で話を進めていきたいと思う。
早速参りましょう。理由の一つ目だ。
サザンが好きだと勉強ができる理由1:ファンの多さ
サザンのファンはとにかく数が多い。大きい会場でやるにもかかわらず、チケットを取るのが困難だ。
ファンの年齢層も幅広い。私もサザンのコミュニティのイベントに参加させて頂く機会があるが、まさに老若男女、色々な人が一緒になって楽しんでいる。
つまり、サザンファンであればそれだけで、色々な人と話す機会が増えるということだ。色んな考えを知って、色んなことを経験して、色んな知識を吸収できる。実際に、親に連れられてやってきた子どもが、色々な大人とコミュニケーションしている姿をよく見かける。
好きなものが一緒ってやっぱり話しやすいものですもんね。
そして、そんな機会を経験することは、勉強においての強みにもなる。
勉強においてもっとも重要であると言っても過言ではない「国語力」。それを「相手の求めているものを読み取り適切に返す力」とするならば、多種多様な人とコミュニケーションをとる場というのは、まさしくその力を伸ばすのに最適な場になるわけだ。
「この人はこんなことを思っているのか」「じゃあこんな話をしたら楽しそう」「あ、この人はここにこだわりがあるのか」「じゃあこんな風に伝えてみたらどうだろう」
そんな風に考えながらコミュニケーションをとれるようになれば、勉強はもちろん、学校の先生とのコミュニケーションなどにも応用できる。自分の見せ方がうまくなる。
しかも、それがファン同士の中で楽しくできるのだから、最高だ。楽しい学びは、やっぱり成長も早い。
うん、こんな感じで進めていきたいのだが、ついてこれているだろうか。心配だけど、今日は好き勝手やろうと思う。次にいこう。
サザンが好きだと勉強ができる理由2:多様性のある歌詞
先に挙げたように、サザンの曲は多様性がすごい。時には号泣モノのバラード、時にはノリノリなロック、そして時にはよくわからない曲。
歌詞も独特だ。安易に読み取れるものではない。例えばデビュー曲「勝手にシンドバッド」のサビはこうだ。
「今、何時?」 そうねだいたいね
「今、何時?」 ちょっと待ってって oh
「今、何時?」 まだ早い
不思議なほどね あんたを見れば
胸騒ぎの腰つき
驚くほどに会話が成り立っていない。ohって言ってる場合じゃない。でも、なんだか「今、何時?」の人も嫌がっている感じじゃないんだよね。
次にあの名曲「真夏の果実」の入りだしだ。
涙があふれる 悲しい季節は
誰かに抱かれた夢を見る
泣きたい気持ちは 言葉にできない
今夜も冷たい雨が降る
とても抽象的で、聴いた人は色んな想像を巡らせることができる。
そう、この「想像させる」というのがサザンの歌詞の魅力の一つだと思う。ある意味「村上春樹」的なその想像させる技術は、よく言われる桑田さん独特の「日本語ロック」の賜物なのかもしれないけれど、ファンである私たちに考える余地と入り込む隙間を与えてくれる。
つまり、考えるわけだ。歌や詩について、私たちは思いのままに想いや思考を巡らせる。正解かどうかよりも、心地いいそれぞれの最適解を見出すために。
実はこれは、勉強にも大いに役立つ。
これからの時代の勉強に求められるのは、詰め込み学習に代表される情報の暗記力ではない。それはコンピュータがいともたやすくやってしまう時代だ。
これから求められる力は、その情報をうまく使う力だ。それは「活用力」と呼ばれる「思考力・判断力・表現力」のこと。自分で考え、判断し、それを相手に伝える能力。
そう、その力を伸ばすためにサザンの歌詞はうってつけである。多様であり、抽象的であり、心を打つ。そしてたまに摩訶不思議。語彙も増えていく。考える力を伸ばす題材として、これほどのものはなかなかないのではないか。まぁ、たまに不適切な表現はありますが。
気になる曲があれば、「どんな意味なんだろう」と歌詞と向き合ってみよう。好きな者同士で内容について話すのもいい。
「なんでこのタイトル、TSUNAMIにしたんだろうなぁ」なんて、歌詞と向き合いながら思考してみて、自分なりの答えを見つけて、誰かに伝えてみる。「活用力」を育てるいいトレーニングになるだろう。
また、サザンや桑田さんの曲には、歌詞自体が直接勉強とつながっているものも多い。例えば活動休止明けのシングル曲「ピースとハイライト」ではこう歌っている。
教科書は現代史をやる前に時間切れ
そこが一番知りたいのになんでそうなっちゃうの?
桑田さん、教科書読むのかなぁ。…あ、いかんいかん、想像を広げてぼーっとしてしまいました。
ちなみにソロ名義ですが、こんな歌もあります。「声に出して歌いたい日本文学」。往年の名作を歌詞に雰囲気ピッタリの曲をつけています。
「好きな人が歌っているから、興味を持って現代史調べてみた」「日本文学読んでみた」なんてのもいいものね。きっかけ一つで勉強に対する姿勢だって変わる。
何度も言うけれど、サザンには色んな曲があるからさ。きっと自分にピッタリの曲がある。そこから能動的に学んでみよう。「外で遊べないチルドレン」になってしまわぬように。
サザンが好きだと勉強ができる理由3:その物語
最初は、コミックバンドのようなデビューだった。
「目立ちたがり屋の芸人です」とデビューしてきたサザン。「勝手にシンドバッド」はスマッシュヒットを飾ったが、誰もが一発屋だと思ったそうだ。
それが「いとしのエリー」「チャコの海岸物語」など次々とヒット曲を連発し、今では誰もが知る国民的なバンドに。
これって、最初は内申点も低く勉強の仕方もわかっていなかった子が、コツコツと頑張って、オール5や受験合格まで成長する過程と(ちょっと無理やりだけど)リンクさせることができるんじゃないか。
仮に勉強が苦手なちょっとやんちゃなAくんの成長物語として、サザンオールスターズの物語と照らし合わせてみよう。
サザンの伝説の始まりは「勝手にシンドバッド」。Aくんの勉強に置き換えるなら、強烈な得意科目を一つ持つことだ。先生にも、親にも、そして自分にも「俺はやればできるぜ」と強いインパクトを与えるのだ。成長の一歩目である。もう焦点を絞ってゴリゴリに勉強しよう。
そこで成功体験を積んで、次の勝負だ。
サザン躍動の起爆剤になったのは、往年の名曲「いとしのエリー」。同じように、力技で得意科目を一つ持ったAくんは、その成功体験を活かし、他の科目にも手を広げる。「やればできる」という自信はその時の原動力になるが、向き合う相手が変わる分、自分だって変わらなくちゃならない。
超アップテンポのロックミュージックから至高のバラードへ。Aくんも変化のときだ。力技だった一科目めの成功から、その姿勢や取り組み方や勉強の仕方までも変えて他の科目の成功を目指すのだ。コツコツと、真面目に、いい姿勢で。
2つ目のヒットが出れば、しかもそれが幅を感じさせるものであればあるほど、ここからは周りもAくんを認めてくれる。見る目が変わる。勉強がだいぶやりやすくなる。
だけど、ここで調子に乗って成長を止めてはならない。真摯に、謙虚に、いいものは素直に取り入れ、失敗は反省し次に活かそう。サザンオールスターズがそうであったように。
そうすれば、Aくんの未来の選択肢はどんどんと広がっていく。きっとサザンの面々も「闘う戦士たちへ愛を込めて」応援してくれることだろう。
夢を載せて走る車道は、きっと希望へと続いている。
まとめ
好き放題に語ってきてしまった。
画面の向こう側に誰も残っていなかったとしても、悔いはない。あわよくば、生徒の誰かが少しでも私の好きなものに興味を持ってくれたら、嬉しいな。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
桑田さんはもう私の中では偉人レベルです。
過去の「教えてくれた勉強法」シリーズ
・米津玄師
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