浦沢直樹さんの『夢印』を読みました。
なんとこれ、あのルーヴル美術館から依頼されて浦沢さんが描いた物語なんですよね。
メインのHPはこちら。
そこに載っている公式のあらすじ。
ある一つの家族。 ある一枚の絵。 ある一人の謎の男。 多大な借金を負った父と娘が、藁をもつかむ気持ちで訪れた古い館。 看板には“仏研"と書かれている…… 館内の暗がりを親子が歩き進むと、一人の男が静かに座っていた。 その男は初対面の親子に告げた。 「夢を見る人にしか、ルーヴルから美術品を拝借した話なんて、してあげないざんす」と………“ざんす"? 世界騒然。浦沢直樹、最新作!!
何を隠そう、僕は『漫勉』を欠かさず見るぐらいの浦沢ファン。『YAWARA!』も『MASTERキートン』も『MONSTER』も『20世紀少年』も『PLUTO』ももちろん読んでいます。
そんな手塚治虫文化賞大賞を二度受賞している唯一の漫画家、稀代のストーリーテラー浦沢直樹さんが、あの世界最高峰の美術館ルーヴルと手を組む!ってすごくないですか。もう聞いた瞬間にワクワクしていました。
ただ、緻密な物語を紡ぐ浦沢さんの本だけに、「先走って買っても長編だとついていけなくなるよな。様子見て買おうかな」なんて思っていたのですが、これがなんと全1巻。
もう即買いです。ポイントがつかない本屋なのに、見つけた瞬間に買ってしまいました。
うん、そして買ってよかった!面白かった!
これはもうぜひネタバレ無しで読んでいただきたい。ということで、ここで内容について多くを語るのはやめておきます。
でも、言わせて欲しい。ここに詰まった物語の楽しさについて。そしてその楽しさが及ぼした、学習の効果について。
まぁ、内容に触れないように端的に言えば、ただ物語を楽しんだだけで、登場人物の名前や美術品について大体覚えちゃったんですよね。
僕は暗記が苦手なのですが、そんな僕でもスラスラでした。登場していたカラスの名前も言えます。うん、これは素晴らしい学びだ。
もちろんすべてがすべてこんな風にうまくはいかないと思いますが、楽しみながら学べるって、ある意味理想の授業につながるんじゃないかなぁと、改めて思った次第でした。
この感動と喜びを、ここに忘れないように記しておきます。
言いたいことは以上です。
ちなみに、ここから下記に載せる内容は、公式HPにも書いてあるこの本の背景についてなのですが、僕はそれを知らずに読んで、読後下記の文をたまたまHPで見つけて「おおおおおおおお」となりました。
そうなりたい方は、この先読み進めず、まずは本屋かネットショッピングで本を手に入れて読んでから、先へ進んでみてくださいね。
もちろん、本を読む前に以下の背景を知ってから読むという手もありです(公式HPにあるということは、むしろそっちを推奨しているのかな)。
選択を。
ちょっと間をあけます。
いいんですか?
本当にいいんですか?
はい、ではこの本の背景についてもうちょっと説明致しましょう。
うん、説明致しましょうなんて偉そうに言っておりますが、ほとんど公式HPからの抜粋事項です。そっちのが絵もあってきれいです。興味が出たらそちらにGOしてください。
では、まずはこの本がこの世に誕生したきっかけから。
そもそも、この本が生まれたのは、ルーヴル美術館が「漫画」を「9番目の芸術」と認め、浦沢さんに執筆をお願いしたことなのだとか。
ちなみに、9つの芸術とは【建築】【彫刻】【絵画】【音楽】【文学(詩)】【演劇】【映画】【メディア芸術】のことです。そこに【漫画】が加わったわけですね。
最近イタリアに行って芸術に魅せられた僕にとって、これだけでもテンションが上がる情報。
手塚治虫が父親に隠れて書いていた「漫画」が、
昭和のお母様方に「読むとバカになるわよ」といわれていたあの「漫画」が、
かのルーヴルに【芸術】として認められるって、なんだか素敵なお話。感動ですね。
漫画好きとしては嬉しい限りです。
そしてもちろん「おおおおおおお」はこれだけでは終わりません。
依頼された浦沢さんの考えについて、公式HPには、こうありました。
「9番目の芸術」としてではなく「日本漫画」として描く。漫画は、漫画であって、より自由で、馬鹿馬鹿しくて、美しい。果たして、浦沢直樹氏が出した答えは、「イヤミ」を主人公にするというものでした。赤塚不二夫先生の生み出した『おそ松くん』のキャラクター「イヤミ」。今も東京のどこかに生きていて、日本、フランス、世界の壮大なドラマのうねりを生み出す中心となる。浦沢直樹氏が生み出す「日本漫画」の自由、馬鹿馬鹿しさ、美しさに、是非、酔いしれてください。
「おおおおおおおおおお」でしょ。
イヤミですよ、イヤミ。
まさに夢のある話。
もちろんルーヴル完全協力ということもあって、色んな芸術作品も出てきます。
ルネッサンスの三大巨匠ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ。ミロのヴィーナス。サモトラケのニケ。ナポレオンの戦利品。そして、象徴となるピラミッド。どれもこれもワクワクする響きですよね。
この本を読み終わって、中身について調べて、そのうちその調べ物は美術館やフランスや歴史にまでつながっていって、どんどん広がって、もうお腹いっぱいです、僕。そのぐらい楽しめた本でした。
ワクワクしながら学ぶって、とっても大事なこと。
勉強にも「漫画」って効果的だもんね。教室にはオススメ本を置いておくので、興味があったら活用してみてください。
あ、そういえば先日もこんなツイートをしていました。
面白い。
— 勉強犬 (@homekobetsu) August 30, 2018
子供たちを科学沼に誘い込めるかもしれないマンガとか本とか - 科学と生活のイーハトーヴ https://t.co/6VdMqyd2hu
今の時代、あらゆるものから学校でも役立つ学びが手に入る。困難も苦しい思いも大切だけれど、時には楽しく、興味の赴くまま、学んだっていいよね。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
知識はいつかどこかでつながっていく。
ちなみに、『夢印』、インタビューも掲載されている豪華版もあるらしいです。
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