湘南「この物語は、神奈川県の各高校を擬人化してお送りするゆるめの物語です。高校の紹介や入試の仕組みなどをなるべくわかりやすく楽しく伝えられたらと考えています」
横浜翠嵐「気軽に読むがいい」 サイフロ「ボス、それは好感度下がります」
大船「本日は神奈川県教育委員会から発表された募集定員について、各高校たちが集まって何やらお話をしております。昨年との比較などもするようなので、お気軽にご覧くださいませ。そして、暗躍する影も…!?それでは参りましょう」
公立高校募集定員2019の発表と比較
藤沢西「ねぇねぇ、なんか県教委から神奈川県の高校の募集定員が発表されたらしいじゃん」
鶴嶺「え、そうなの〜」
茅ヶ崎西浜「え、めっちゃ気になる。募集定員ってつまりどれだけ合格するかってことでしょ?誰か一覧表作ってくれないかなぁ」
藤沢工科「あるよ」
茅ヶ崎西浜(狙い通り…)
藤沢西「増減がある【40人】って大体一クラス分ってことだよね」
茅ヶ崎西浜「へー。これ、定員が増えてるとこは人気だったってことかね?誰か分かる人」
湘南「うーん、おそらくだけど、多分そうだね。やっぱり昨年人気だった高校がクラス数を増やしている印象があるよね」
茅ヶ崎西浜「さすが湘南。この辺りだと、七里ガ浜に藤沢西に藤沢清流に深沢…え、深沢…」
深沢「え、うち強気」
鎌倉「元々が少なかったからな。校舎のこともあるだろうし。うちは一クラス減。昨年あんまり倍率よくなかったから」
茅ヶ崎北陵「これで今年の鎌倉くんのところはまた激戦になりそうですよね。共通特色検査などいまいち対策が難しい高校の志願者が流れてくる可能性もありますしね。また、もしかしたらですけど、来年からは鎌倉くんも特色検査を始めるということで、来年以降偏差値など上がるかもしれないから今年のうちに入っておこうというトリプルニーズがあって倍率上がりそうです」
鎌倉「特色検査の件は北陵っちもな」
藤沢西「うちは新校舎効果があるから、神奈川特有の隔年現象(倍率が高い年次の年は倍率が下がる)の影響もなさそうだったけど、定員増で倍率少し落ち着くかな」
湘南台「うちはどうなるでしょうか…不安」
藤沢総合「ま、まぁ湘南台ちゃん、きっと大丈夫だよ。そうだ!私が占ってあげる。えーとね、近隣でレベルも近い七里ヶ浜くんと藤沢西ちゃんが募集定員増ってことは…うん、今年もきついかも。なんちゃって」
湘南台「総合さん、場を和まそうとするのはいいですが、笑えません」
藤沢西「で、でも湘南台は横浜からの流動が多いから、藤沢・鎌倉エリアの動向はあ、あんまり関係ないかもね。ね」
湘南「そ、そうだよね。昨年倍率が低かった分、隔年現象の波に乗って、今年どーんと上がるかもね」
湘南台「二人とも動揺しすぎです。でも、フォローありがとうございます。期待しながら励みます。総合さんには後で何か奢ってもらいます」
寒川「うちも今年こそは定員割れ(定員割れの学校は最終倍率が1.0になる。表の赤字参照)を避けたい。神様お願いします…」
横浜翠嵐「ハッハッハー、本日も愉快にはしゃいでおるようだな、湘南の」
湘南「あ、翠嵐くん」
鎌倉「あ、割と暇説ある帝王、またいらっしゃいました」
横浜国際「ハロー、また来ちゃったよ。覚えてる?バカロレアコースが話題の横浜国際だよ」
国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)とは、文科省のHPによると、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置されたものです。つまり、高校卒業後、世界各国の大学が進路先として選べるようになるということですね。
鶴嶺「なんだか溢れ出る英語感が好き〜」
横浜国際「あら、私もあなたのこと好きよ、鶴嶺ちゃん。帰国子女枠って大事よね〜」
横須賀「50218!」
湘南「!?どうしたの横須賀くん」
横須賀「いかん、いかん。一クラス減に動揺して思わず数字で挨拶してしまった。すまない」
七里ガ浜「意外とオチャメなんだな、あいつ」
藤沢清流「これさ、学校ごとの事情もそうだけど、エリア毎の要素も大きく関わってきている気がしますよね」
大船「でしょうね。一部を除いて学区はないということであっても、通学を考えるとやはりエリア内の高校進学から考えるのが妥当ですものね。エリアの人口の増減もやっぱり関わってきますよね」
藤沢清流「ですよね。僕なんかはたまたま藤沢市が人口伸びてるからそれに乗っかった感もどこかで感じています」
横浜翠嵐「それもまた実力であるがな。もし負い目があるのなら、より励み、他エリアからも流動があるような高校になれば良い」
藤沢清流「はい!」
大船「神奈川全体の募集定員も減っていますから、少子化の影響もやっぱりあるんでしょうね。我々も気を引き締めていかねばです」
湘南台「統合などされぬよう尽力します」
茅ヶ崎「ちなみに、県教委によると、募集定員については、神奈川県公私立高等学校設置者会議の合意事項を踏まえ、県内公立中学校卒業予定者数、地域的な増減、県立高校改革実施計画及び各高等学校における施設の状況等を勘案し、策定しています。とのことです」
茅ヶ崎西浜「へ?いきなりどうしたの茅ヶ崎ちゃん。キャラ違わない?」
茅ヶ崎「そんなことありませんが。ちなみに平成31年3月の県内公立高校の卒業者予定数は68727名。今回の全日制の募集定員が述べ43077人ですから、前述されていた少子化の影響は大きいですね。県立高校の時代も終わりかもしれません」
希望ヶ丘「おほほほほ。途中までは面白かったけど、最後の一言がいただけないわね…あんた偽物ね。正体を現しなさい!」
茅ヶ崎「ふふふ。ばれてしまっては仕方がない。しかし、よくぞ気付いた」
七里ガ浜「そりゃ誰でも気付くだろ。早く出てこい」
【私立無償化大王が現れた】
私立無償化大王「やはり時代は私立なのだ!校舎も綺麗だし、面倒見もいいし、年収によっては授業料も無償だ!どうだ!公立は終わりだー」
横浜翠嵐「ほう。貴様の言い分だと私立が良くなることが公立が悪くなることと何か関係があるように聞こえるが、それは本当か?1600字以内で意見を述べてみよ。聞いてやる」
私立無償化大王「え、いや、そ、そんなことは…」
湘南「私立が良くなることは確かに僕らも嬉しいしいい刺激になるよ。でも、本来は私立とか公立とかそんなこと関係なく、各高校が一生懸命に頑張っていい高校になろうとすることが、子どもたちにとっても各高校にとっても、一番大切で重要なことなんじゃないかな。僕はそう思うよ。君はどう?」
私立無償化大王「え、いや、はい、その通りです」
横浜翠嵐「では、帰れ」
私立無償化大王「は、はい」
鎌倉「帰っていった…さすが2トップ」
茅ヶ崎北陵「でも、私立の志願者数が昨年伸びたのは事実だよ。僕らも頑張らなくちゃね」
希望ヶ丘「おほほほほ。さ、ではどうしたら生徒たちのためになる魅力的な学校になるのか、話し合いましょ」
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
もうちょっと続く。
暗闇の中から、声。
???「ふ、私立無償化大王のやつ、帝王に睨まれて逃げ出してきたというじゃないか」
???「公立高校界の現状を掴むにいい機会かと潜入させてみたんですがね。失敗でした」
???「ふん、あの恥さらしめ。所詮奴など我ら私立高校界の下っ端もいいとこよ。今度は俺が直接覗いてきてやるぜ」
???「それには及ばん。相手ばかり見ていると足元をすくわれかねんぞ。まずは自分たちの計画を着実に進めるがいい」
一同「はっ!桐蔭学園さま…」
To be continued…
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