一年で全国から50校もの学校が見学に来る神奈川県公立トップ校、横浜翠嵐高校の見学に参りました。
約1070名が通う学び舎。校長先生である佐藤先生が直々に丁寧に対応してくださり、素敵なお話を伺うことができました。
横浜翠嵐高校について
横浜翠嵐高校は、その名の通り、たくさんの緑に囲まれた閑静な住宅街の中にあります。近くには三ツ沢公園や三ツ沢競技場があり、雰囲気はだいぶ落ち着いています。
横浜市の史跡である三ツ沢貝塚もこの付近。
最寄り駅は、ブルーラインの「三ツ沢下町」。徒歩10分強ですかね。
横浜駅からは、例えばこんな階段を登っていきます。
ただ、出身の講師によれば「もっと楽なルートがありますよ」らしい。早く言って欲しい。
学校にはバスが停まる正門以外にも通用口がいくつか。どこから入っても素敵なモニュメントが迎えてくれます。
歴史ある学校ということで、年季の入っている校舎は、現在一部のトイレだけ改装し、ホテル並みのピカピカさになっているそう。綺麗な女神様も喜ぶはずです。
それではそろそろ真面目に中のお話も致しましょう。
横浜翠嵐高校 全日制について
僕が抱えていた横浜翠嵐高校のイメージは、「真面目」。
うちの近くの公立トップ校、湘南高校と比較されることが多いですから、どうしても湘南高校の自由な雰囲気とは対象的に見られてしまいますよね。校長先生もその点嘆いていらっしゃいました。
「ウチも強い部活や楽しい部活はあるし、行事は盛り上がりますよ」
部活は定時制や土曜講座もある関係で時間制限が厳しい印象がありましたが、写真で見せていただいた行事はたしかに大盛り上がり。特に9月の体育祭は、誕生日別で色ごとに分かれて競い、伝統の催しなど学校全体で楽しんでいる様子が伺えました。
圧巻は、文化祭。なんと来場者数9000人超えだそう。フェスじゃん。
「文化祭や体育祭は隔年でしょうなんて言われることもあるんですが、毎年実施しています」とのこと。また、近年ではクイズ番組で在校生が頑張っている姿が印象的ですよね。
ただ、やっぱり横浜翠嵐高校の素晴らしい点は学習面。
ネット上では賛否両論あった「覚悟」のお話ですが、きちんと校長先生のお話をお伺いすると、「自分の人生でしょ。塾に行かずとも大学合格できる環境は学校で用意するから、主体性を持って高い目標に向かってどんどんチャレンジしなよ。応援するからさ」という熱いメッセージを感じました。
そして、そのお言葉や姿勢からは、生徒たちだけではなく、横浜翠嵐高校の先生たちの「覚悟」も感じとることができました。
国語・社会・情報以外の科目は95分授業を中心とした変則カリキュラム。一年生から東大の過去問にチャレンジする授業。最低二回、模試の結果や本人の様子を見ながら随時個別で行われる面談。自然に国公立大学に有利になる教養をつけるための徹底した5教科指導。土曜の特別講座。先生たちへの負担も大きいです。
さらに、難易度の高い記述式の特色検査を作成し、採点に時間をかける。授業準備にも時間がかかり、帰りが深夜になる先生も多い。そんな先生たちの「覚悟」の上に、生徒たちの「覚悟」が積み重なり、公立トップクラスの実績が築かれているのだと感じました。
並ぶ国内の有名国公立大の名が、真面目な横浜翠嵐の雰囲気にマッチしますね。
昨年の国公立合格者が358名中の148名。約40%ほどです。約30%が浪人し、残りの30%ほどが私学へ進学するそうです。指定校推薦を使う子はほぼいないのだとか。毎年、東大を期待されている当校ですが、「生徒各々が志望する大学へ行ってくれればいいんです」と校長先生はやさしい笑顔でおっしゃっていました。
話は最近流行りの海外大学の合格者についてにも及びました。横浜翠嵐の卒業生にはほぼいません。実際ここは積極的には狙っていないそう。ただ、日本の大学に行ったとしても、国際的な視点をしっかり持てるように、近年では修学旅行先を沖縄でなく台湾とし、現地で英語での交流会を実施しているそうです。
また、「学力向上に重要なのは高校一年生の時なんです」と校長先生はいいます。
「受験が終わって気が緩みがち。ですから、ここで生活習慣や学習習慣を固めます。マナーアップ研修なども実施します」
中身を見せてもらいましたが、一年時からきめ細やかな学習スケジュールが決められていたり、大人顔向けの研修プログラムが組まれていたり、至れりつくせりといった感じでした。「当たり前のことを当たり前に主体性を持ってやりましょう」ということですね。
こりゃ、あの特色検査をくぐり抜けた子たちがこうやってしっかり鍛えられれば、これだけの実績を残すのは納得ですね。塾や予備校へ行かずとも東大へ合格した子もいるのだとか。驚きです。
逆に、そのぐらいの力の入れようでなければ、基本の進みも早い中高一貫校とは渡り合えないのですね。いや、圧巻でした。
横浜翠嵐高校 入試について
入学したい!と最初から思っているあなた。もしくは、ちょっと気になってきたあなた。そんなあなた達に、入試についての情報を簡単にお伝えします。
横浜翠嵐高校の合格可能性60%偏差値は71。神奈川県の高校の中で唯一(内申:学力検査:面接:特色検査)の比率が(2:6:2:2)の学校です。
入試の学力検査には追試制度もあります。当たり前ですが、もしも学力検査当日に行けなくても、追試だからって不利になることはないということ。
今年は特色検査が大きく変わる年。毎年特色の難易度の高い翠嵐高校ですから、少し楽になるかも?なんて期待はせず、しっかりと対策したいですね。
直近の学校説明会は、12月8日に当校で実施されます。ネット申込みを忘れずに。
今回直接伺ってみて、「え、距離的には藤沢からも余裕で通えるじゃん」と思いました。湘南台からはブルーラインで三ツ沢下町、藤沢からは東海道線で横浜が王道ルートでしょうか。
公立トップ校に興味はあるけど、近くの湘南高校はなんだか違うんだよなぁ、という方。どうでしょう、一度見に行ってみては。
帝王も喜びます。
校長先生の今後の野望
最後に、校長先生のお話をお伺いしていて、個人的に印象に残った部分をまとめてみました。
校長先生はしきりに「オール神奈川」という言葉を使っていらっしゃいました。「翠嵐だけがよくてもダメ。まずは学力向上進学重点校ならどこでも一定水準の教育が受けられるという体制にしなくては。個の力の時代じゃない。オール神奈川でやっていかねば」と、トップ校の校長ながら、神奈川県全体のことを考えていらっしゃるのが印象的でした。
実際の取組みとしては、英語によるディベート大会や希望者による海外研修などが、4校合同で行われているそうです。先日の「学力向上進学重点校とはなんだ」にて、その一端に触れましたが、生徒たち大したものでした。
最後に、校長先生に、生徒や保護者の方々にメッセージをお願いしました。
まずは横浜翠嵐が求める人物像について。
実際の高3の生徒が映画製作の大会で専門的な勉強をしてきた他校のライバル達を押しのけ準優勝を勝ち取った例を挙げ、「探究心旺盛な生徒。そのほうが勉強の伸びしろも大きい」とおっしゃっていました。
校長先生自身も学生時代、学校のカリキュラムの関係で、数Ⅲの授業が受講できず、自力で数Ⅲを探求した経験があるとのこと。主体的に学ぶことの大切さを説かれていました。
また、難問特色検査の記述採点の話の流れから、「相手にわかりやすく伝える能力も大切です。社会に出れば、答えのない問いに対して、自分の考えをちゃんと伝えていかねばなりませんからね」という言葉も出てきていました。
お、これはよく僕が定義する国語力じゃないか。もしかしたらもしかして、そのワードが校長先生の口から出てくるんじゃないか、と一人でドキドキしていましたが、出ませんでした。うん、いいんです。
最後の最後の質問は、小さいうちから子どもに取り組ませるといいことはありますか?というもの。
「積極的に外へ出ましょう。色んな体験をしましょう。その中で課題を発見し、それを解決するために学び、その知識を活用することを繰り返しましょう」
はい!塾でも知識の習得と再生だけでなく、活用させることを心掛けて指導していきたいと思います。
本日は貴重なお時間いただき、本当にありがとうございました。
続いて、併設されている定時制について、簡単に情報をまとめています。
横浜翠嵐高校 定時制
横浜翠嵐高校の定時制は、全国トップレベルの生徒数を誇ります。200人を超える生徒が、夕方5時から夜の9時まで学びを深めます。
生徒は4割が外国に縁のある方だということです。中国や東南アジア、南米の方が多いのだとか。40代〜50代の主婦の方も多いそうです。
進路としては、就職や専門学校はもちろん、大学に進学する方も多いそう。指定校推薦の枠を利用したり、AOで国公立大(北海道教育大)に合格した方もいらっしゃるのだとか。キャリア教育も充実していて、安心のサポート体制があります。
気になる方は、当校HPで詳細を確認してみましょう。
その他の高校情報はこちらから。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
行けてよかった!今までよりずっと横浜翠嵐高校が好きになりました!
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