先日こんなニュースを見つけました。
記事に書かれていたのは、「ある実験によって教師の固定観念が学生の成績や学習意欲に大きな影響を与えることが判明した」というもの。
詳しくは是非記事をご覧いただければと思いますが、端折って説明すると、
教師の「どれだけ高度な教育を行っても、生徒の成長には限界がある」という固定観念が生徒の学習意欲に影響を与え、生徒が成長する芽をつぶしてしまう可能性を研究チームは指摘しています。固定観念を持つ教員は「学生の学習と発達を重視する」ことが少なく、動機付けの少ない教育が行われていることが判明。平均してすべての学生、特に少数民族の学生のやる気を低下させていたことがわかりました。
という感じです。
これはアメリカでの調べなので、人種間の関係性など日本とは違った要因も考えられますが、「教師の考えが生徒の成長を左右する」というのは、世界中どこの教育現場においてもあり得そうなことです。
ここから本日の本題に参りましょう。
心理学にはピグマリオン効果と呼ばれるギリシャ神話を基にした用語があります。
これは簡単に言ってしまえば、「教師(誰か)の期待によって学習者の成績が向上する」というもの。
ちなみに反対に「教師(誰か)が期待しないことによって学習者の成績が下がる」ことは、ゴーレム効果と言われます。
今回の実験では、このゴーレム効果が実証されたということでしょうか。でも、何となくそうなりそうだなぁという想像はつきますよね。
実は、近年の心理学界では「ピグマリオン効果」への批判的な意見も多いといいます。そもそもの実験方法を疑問視する声が高まっているのだとか。
実験のことはさておき、皆さんはどう思いますか?期待すれば成績が伸びていくっていうのは、間違いだと思いますか?
僕は、あながち間違いじゃないと考えています。やっぱり教える側の期待って、本人にも伝わると思うんですよね。それがモチベーションに影響することって、やっぱりあると思うんです。
それに、僕が見てきた多くの成績が伸びない生徒って、「できない」のではなくて、「正しい(自分にあった)やり方で、正しい量をやっていない」だけなんですよね。
それを知っているから、「おいおい、本当のあなたはまだまだこんなもんじゃないでしょう」って、各々をどうしても期待して見ちゃいます。
その気持ちが、生徒にも伝わって、ちょっとずつ成功体験を積んでいく中で、「あ、俺もできるのかも」「私もやれるのかも」って気持ちを後押しするんだと思うんですよね。違うかなぁ。
共感してくださる先生や保護者の皆様、ぜひ今日も明日も子どもたちにいっぱいの期待をしてあげましょうね。裏切られることもあると思うけど、そこまで含めて、僕ら大人の役割でもあると思うのです。
なんて語ってしまいました。最後に、僕の好きなドラマだった「流星ワゴン」の中に、とっても素敵な台詞が出てくるのでそれをご紹介して終わりにしましょう。
困難に立ち向かおうとする子どもに向けて、香川照之扮するおっさんがまくし立てるように言うんですよね。「できるまでやるには、どうしたらいい?できるまでやるには強い心が必要だ。やれると言う強い心が!不可能を可能にするなら…」
「まずは心の中に奇跡を起こすんだ!」
みたいなことを言うんです。細かい所はちょっと違うかもしれませんが。
まぁ、奇跡とは大袈裟ですが、『無意識の活用法』でも書いた通り、信じる力、それを叶えようと狙う力というのは、絶大な効果を生みますからね。
ピグマリオン効果が本当かどうかはわかりませんが、子どもたちにはまずは誰より自分が自分に期待しながら、日々を暮らしていってほしいものです。
という願いを込めて。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
大人だって、自分を自分が信じてなくちゃね。
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