本日のテーマは、先日発表された全国学力調査の内容です。
そもそも全国学力調査とは一体どんなものなのでしょう。文部科学省のHPから抜粋。
義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る。学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。
ちょっと難しいですが、つまり、未来へ活かすための教育の現状分析材料ということですね。
ちなみに、実施しているのは文科省におかれている国立教育政策研究所という機関。調査結果のページに飛ぶと、この名称が出てくるので一応お伝えしておきますね。
本研究所は、教育政策に関する総合的な国立の研究機関として、学術的な研究活動から得た成果を、教育政策の企画・立案にとって有意義な知見として集約・提示する立場にあります。また、国際社会において日本を代表する研究機関であるとともに、国内の教育に関係する機関や団体等に対して、情報を提供したり必要な助言・支援を行う立場にあります。
それでは早速調査の結果を見ていきましょう。まずはリンクを貼ります。どーん。
リンク先には色々と書いてありますが、本日はそこから読み取れる今後子どもたちにとって必要な力についてお話していきましょう。
特徴的な問題を抜粋しながら説明していきます。
日常の中で頭を使う能力。数学編
まず僕が注目したのは、中3生用のテスト、数学の問6の問題。冷蔵庫の購入を検討する問題です。
なぜ健太とお姉さんが冷蔵庫について考えているのかという背景を詳しく知りたいところですが、その辺りの事情が書いてあっても不自然ですから気にせず先へ進みましょう。
この問題で測られているのは、「事象の数学的な解釈に基づき,問題解決の方法を数学的に説明する活動の充実」だといいます。具体的には、一次関数や連立方程式を作り求める力ですね。
ここでお伝えしたいポイントは、近年こういった「実生活に結びつく問題」とが増えている傾向にあるということです。それは、公立中高一貫校の適性検査然り大学入学共通テスト然りですね。
例えばこの問題も、「冷蔵庫と電気代」について考えたことがある子であれば、割とスムーズに解答に辿り着けるでしょう。冷蔵庫じゃなくとも「年間の電気代が○○円お得!」などのチラシに興味を持ったことがあれば、問題の意味や意図を掴みやすいと思います。
逆に、「そんなこと考えたこともないよ」という子は、おそらく問題の意味を汲み取れないまま、正答に(というか過程にも)辿り着けないのではないでしょうか。
国語でも「封筒の書き方」の問題が出ましたね。これもやったことがある子だったら楽勝ですよね。
学びの機会は、日常に溢れている。
そんな普段の暮らしの中で、「頭を使うこと」の経験値を貯めておけると良いですね。
こういった経験を多くし、経験値を貯め、レベルアップをしている子は、その力が勉強で役立つのはもちろん、詐欺や数字のトリックにも騙されにくく、人生を快適に生きていきやすいのではないでしょうか。
僕ら大人たちはこのことをちょっとだけ意識しておくといいかもしれないですね。
英語4技能。英語編
英語では、今年度の学力調査から、新しい試みがスタートしました。
それがスピーキングテスト。
会場設営・設備の問題(隣の人の声が聞こえちゃう等)や実施自体に賛否両論の意見があるようですが、やり方は置いといて、こういうテストが実際に行われたというのは、時代の進化を感じますね。
英語4技能(聞く・読む・書く・話す)は、教育改革の目玉でもあります。以下は昨年の資料ですが、教育改革スケジュールにも書いてある通り、大学入学の際にもわざわざ外部試験を使って4技能の能力を測ろうとしています。
大げさに言えば、どんどん人口が減っている日本という国にとって、国際化というのは急務ですからね。「もっと使える英語を!」と焦っている感は伺えます。
まぁ、英語ができた方が将来の仕事の幅やつながりの幅が広がることは間違いないでしょうね。今まで以上に「英語は身につけておかなければならない教養」という時代が迫っているのかもしれません。
英語を学ぶには、しっかりとした国文法からなのか、使って慣れる戦法か、フォニックスか、はたまた違う方法か。英語教育というものにも万人受けする方法などないとは思いますが、せっかく格好いい言語なので、なるべく楽しく学べていけたらいいですね。
ちなみに、文科省からこの調査結果を踏まえて「英語の発信力が課題」という発表されていましたが、そりゃそうでしょう。そもそも受身的な「読む」や「聞く」に比べて、「書く」や「話す」は能動的で難しいもの。慣れるにはまだ時間が必要だと思います。
とりあえずもうこんな時代なんだから、もっと良い試験のやり方を考えてもらいたいもんです。
国語力。国語編
上記の内容にもつながってくると思いますが、やはり今も、そして今後も、子どもたちに変わらずに求められる力のひとつは「国語力」だと思います。
このブログの読者の方は「また言ってるよ」感が強いと思いますが、僕の定義する国語力とは、「相手の求めているものを返す力」。ちょっと格好良く言えば、インプットとアウトプットの力のことです。
よく出す「何食べたい?」の例も再掲。国語力がないと「筆箱!」と言ってしまうけれど、国語力が高いと右のような答えができると言うやつですね。こうやってKeynoteで資料作っておくと楽チンということがわかりました。
詳しくは、お手すきの時にでも以下の動画をご覧いただけるとわかりやすいかと思います。
さて、この国語力がなぜ必要かということですが、このテストを見ても、神奈川県の公立高校入試を見ても、一目瞭然でしょう。ここにも一応昨年の入試問題貼っておきますね。
そう、どれもこれも文字数多めです。まず読めないと話にならない。まず読んで、意味を掴まないとどうにもならないのです。
僕が言う国語力の頭半分「相手の求めているものを捉える力」がそれにあたります。それには語彙や文法といったアイテムや、論理的思考能力が必要です。
そして、読み取ったからには、返さないと。記述問題などでは特に「相手の求めているものを返す力」が必要になるわけですね。
更に言えば、この力が大切なのは何も入試の時ではありません。
国語力だけでなく、上記に挙げた力たちが本当に役に立つのは、その先の人生においてです。
世界中のどこにいて、何をするでも、これらの力を持っていないより持っている方が、選択肢は広がるし、できることは増えるはずですからね。
未来を見据えて、日々学びましょう。
国や学校や塾をうまく使ってね。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
未来は、僕らの掌の中。
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