今回の数学は、上位層にとっては(問題の難易度が下がったので)易化、苦手な子にとっては変わらない、ただ上位層の中でも傾向が変わった分対応できなかった子もいるのでは、というわけで総合して昨年並みという感じでどうでしょう。
昨年の平均点が55.7と高めだったので、今回もその辺り(54〜57辺り)じゃないかなと。まぁ、この辺り、もうどうしたって変えられない数値ですから、予想するのを楽しみながら、実際出るのを待てば良いのです。
生徒たちからの声
「大問集合またあった」
「最短距離でた!」
「確率面倒だったけどちゃんと図書いて解きました」
「できるところは全部できた!」
「予期せぬことは起こると思ってたから手は止まらなかったです」
解答と配点
問1問2は変わらず。ここまでちゃんと取れると15+24で39点ですからね。大きいですよね。
昨年から「大問集合」となった問3は相変わらずバラエティに富んだ構成。昨年同様23点分。ここが勝負の分かれ道ですかね。
問4、問5、問6は関数・確率・図形。このベテラン組も昨年と配点は変わらず。
それでは早速中身をじっくり見ていきましょう。
問1 計算
問1は安心の計算。ここは絶対に落としたくないところ。(ア)(イ)は正負の数。(ウ)(エ)は文字式。(オ)は平方根。神奈川県は分数が大好物なので練習しておきましょう。
ちなみに、社会の名残りで、「けいさん」と打つとKさんが出てくるのは内緒です。
問2 小問集合
問2は小問集合。ここも正解を積み重ねたいですね。
(ア)は(x+6)を大文字に置き換えてもいい因数分解。(イ)は解の公式。(ウ)は二次関数の変化の割合。(エ)は不等式。単位変換もない。以上にはイコールがつくので注意。(オ)はこれもおなじみ平方根の問題。今後は一年生で学ぶ素因数分解。(カ)は円周角。一応解法を載せておきましょう。もちろん数学ですから解法はこれ一つではないので他の方法も探してみてね。
溢れ出る勝負はここから感。
問3 大問集合
来ましたね、まさに大問集合。大問レベルの問題が立ち並びます。一つずつ倒していきましょう。
(ア)は証明と線分の長さを求める問題。証明は前後の関係をよく読み、実際に印なんかをつけていくとミスしなくなりますね。(ii)は最後の問と併せて今回最大の難問の予感。ちょっと詳しく見ていきましょう。これもいろんなやり方ありますが、今回は比と面積を使って解いてみます。○で囲ってあるのは比ってことです。
2枚目の最初の部分(面積比使って面積の計算の部分)ややこしいかもしれないので一応補足。この考え使ってます。
(イ)は相対度数の問題。このグラフを作った人に縦軸を相対度数にした意味はなんなのかと問い詰めたい。とにかくチマチマ相対度数を計算です。(あ)は相対度数の和が0.5(真ん中)を超えるところを探せばいいので、左から各々の階級の相対度数を足していく(例えばA中学なら0.01+0.02+0.09+0.21+…)とどちらも0.5を超えるのは20〜25の階級になるので、階級値は22.5で同じ。(い)も足し算を比較。0.33と0.38だからバツ。(う)は人数を求めるのに注意。全体の人数×相対度数で求められます。A中学校は100人でB中学校の生徒は150人ということに注意。相対度数を求めた段階で気付くのもあり。(え)は人数まで計算せず相対度数で比べれば楽ちんですね。合っているのは(あ)と(う)になるので、答えは2になります。何回相対度数って言ってるんや…
(ウ)はなんだか新しい傾向の問題。中学受験的な考え方を持っているとスムーズでしたかね。ちょっと詳しく見ていきましょうか。問題文を横目に図をわかりやすい形に直してみると考えるのが楽になるかもしれません。一瞬ビクッとした方も、よくよく考えてみるとそんなに難しくないことがわかるかと思います。
(エ)は連立方程式。落ち着いて解きたいところですね。(i)は増加した人数分を求める式ですから、xの1割(0.1x)とyの3割(0.3y)を小数や分数で表すことができるかどうかがポイントですね。
ここからはお馴染みベテランメンバー達があなたに襲いかかります。
問4 関数
問4は常連の関数。もうみんな「待ってました」的な感じですよね。こちらは頭からじっくり見ていきましょうか。ちょっと長めになりますのでご容赦ください。
関数は準備がとっても大切。わかるところを片っ端からメモっておくといいですね。
(1)は慣れたものでしょう。(2)は座標を求めるのと分数の計算が厄介ですが、神奈川県で受検するなら分数には慣れましょう。一手間減るので小数よりもいいやつです。(ウ)は長期戦。こちらも色んな解き方がありますが、一例にどうぞ。
この試行錯誤が数学の面白みですよね。
問5 確率
こちらも常連メンバーの確率。一体なんのためにこの操作をしているのか、相当暇人だな、毎回毎回本当よく大小サイコロ投げるなぁと余計なことを考えつつ、仕方ないから解くしかありません。ここでは、あなたの言われたことをやる能力が試されているのです。
もう大小のサイコロって言ったらお馴染みのこの図ですよね。あとはひたすら作業です。(ア)は逆算して気付けたら早い。
問6 立体図形
こちらもベテラン組の立体。今回は円錐でした。
(ア)と(イ)はスムーズにいきたいですね。
立体の真の戦いはここからです。「最短距離は展開図を書け」という理通り、展開図を書いていきましょう。上記の側面積の求め方や中心角の求め方はどうしてそうなるのかを理解した上で素早く使えるといいですね。そして、この問題に限らず大切なことは、解法は一つではないということ。ぜひもっと良い解法を探してみてくださいね。
以上で解説は終了です。みんな本当にお疲れ様でした。
まとめ
一つ一つの問題自体は簡単になったとはいえ、やはりこの問題たちを高い精度で時間内に解きこなすのには多くの練習が必要ですね。
今回数学が苦手な子が60点を目指す際にとって欲しいところは、
問1全部 15点
問2(カ)以外 20点
問3(エ) 5点
問4(ア)(イ) 9点
問5(ア) 5点
問6(ア)(イ) 9点
計54点
ですかね。ここに円周角や確率の(イ)が入ると60点を超えます。計算や関数は高校に入ってからも必ず使いますので、高校受験をよきタイミングとしてしっかり復習しておきたいですね。
最後に、今後もこういった数学入試問題に対抗するためにつけておきたい力を記しておきます。
- 計算力(早く正確に分数の計算をできる力)
- 図を書く力(自分のわかりやすい形にする)
- 情報処理力(与えられたヒントを的確に使う)
これらの力は演習で鍛えられます。いくら他人の解法を見たり聞いたりしても自分で解けるようにはなりません。「自分がやる」。いつだってそのことが大切です。
数学の問題を試行錯誤しながら解く→丸付けする→間違えた問題の解説を読む→不明点をなくす→もう一度自分で解く→スムーズに自分一人で溶けるようになるまで繰り返す、といった練習を日々日々積んでいきましょう。
考えることって本来は楽しいものなんですから。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
何度も言うけど分数は友達。
0コメント