2018年度の神奈川県公立高校入試学力検査の合格者平均点が発表されましたね。
英語 56.1点 (昨年51.9点)
国語 65.6点 (昨年73.1点)
数学 56.0点 (昨年63.5点)
理科 45.3点 (昨年46.9点)
社会 41.8点 (昨年54.5点)
やっぱり社会が難しかった。
その他の科目も英語以外は昨年度の平均点を下回っています。記述問題が減り選択問題が増えましたが、難易度は上げられると証明してみせた形ですね。
中身については、下記で詳しく説明したいと思います。
まずは、今年度の応募者の流れを振り返りましょう。
人気高校から見る今年の高校選びの特徴
湘南地域高校人気ランキングや神奈川県高校人気ランキングの記事でも紹介しましたが、志願者を集めた高校をピックアップしてみると、今年の受験生たちの動向がなんとなく掴めます。
湘南地域では、七里ヶ浜高校、鶴嶺高校、藤沢清流高校、藤沢総合高校などがベスト5にランクイン。県では、港北高校や多摩高校が志願者を集めました。
その顔ぶれから察するに、今年の高校選びのキーワードは、ズバリ「自由」「楽しい」「元気」でしょう。
七里ヶ浜は、日本最高とも言われるロケーションと、元気な校風がウリ。清流や総合は単位制で自由な時間割が組めることが魅力の一つです。鶴嶺も雰囲気はほのぼのとしていて海外からの受け入れもしているので割と自由な校風です。
逆に「厳しい」「落ち着き」「真面目」な雰囲気の大船高校や湘南台高校は苦戦をしたイメージです。逆を言えば、今年大船や湘南台を志望した生徒は例年よりも少し楽に入れましたね。
はたして2019年度はどうなるでしょうか。
6月から各高校、説明会や文化祭・体育祭などが動き出します。部活などもあるかと思いますので、早めに狙いを絞って、自分の足や目で高校を確認することを心掛けましょう。志望校ができれば、モチベーションにもなりますからね。
「やりたいことがない…」「行きたい高校がない…」なんて場合は、こちらの記事を参考にしてください。
入試(学力検査)問題の振り返り
次に、2018年度の入試問題の振り返りです。まずは発表された資料を見てみましょう。
「センター試験」から「大学入学共通テスト」へ変わる代の高校入試ということで、どんな問題が出題されるか注目が集まりましたが、全体的に記述問題が減り、選択問題が増えるという形になりました。
ただ、平均点は(英語を除く科目で)下がりました。上記でも触れましたが、「記述=難しい」ということではないと証明した形ですね。
平均点に関して言えば、県としては毎年平均を50点前後にしたいそうです。ということは、来年度を見据えると、理科や社会は少し易化する予想が立てられます。
まぁ、そんなこと言いながら毎年難しい理科があるので、楽観視はできませんね。逆に国語はまだまだ難しくなったり文字数が増えたりするでしょう。
次に教科別の得点分布を見てみましょう。
グラフからは、わかりやすく社会が難しかったことがわかります。逆に英語は少し易化だったみたいですね。そして、やっぱり英語は差がつきやすい科目と言えそうです。
全科目の学力検査問題の文字数は圧巻の例年以上。しっかりと読む力は今後も絶対的に必要でしょう。それでは、各科目を見ていきましょう。
①英語
英語の平均点は56.1点。唯一昨年に比べて平均点を上げた科目です。「簡単になったかも…」の感想通りですね。全体的に難問も少なかった気がします。
英語において今年度最も正答率が低かった問題は、問5の英作文の13.8%でした。昨年が問1リスニングの英作文の4.5%だったことを考えると、やはり全体的に難易度が易しくなったのかなと。
ただ、問4と問8は昨年度に比べても正答率が下がっています。問8は時間に押された子もいたかな。並び替えはやはり難問。まずは問3までと長文できっちり点数を確保しましょう。
②国語
国語の平均点は65.6点。他の科目と比べると高いですが、昨年度がとってもイージーでしたから、極端に下がったように見えます。
実際は、一昨年が64.7点でしたから、そんなに難しくなったわけでもないんですよね。
注目の「苦衷(くちゅう)」の正答率は30.8%。やっぱり断トツで難しかったようです。昨年の「頒布(はんぷ)」を下回ってますからね。
また、昨年なかった正答率10%台の問題が二問あります。後半、時間が足りなくなった子も多いかな。
来年度もここから文字数が減ることはないでしょう。早く的確に読む練習を。
③数学
問6(ウ)空間図形の2点間の距離を求める問題も6.4%、問7(イ)平面図形の角度を求める問題も9.1%と難問が続きます。昨年度は正答率10%を切った問題が1問だったことを考えると、やっぱり難化ですね。
計算や小問集合でしっかり点数を稼げるように練習をしておきましょう。高い正答率の問題を落とさないことが肝心です。
④理科
理科の平均点は45.3点。昨年度よりちょっとだけ平均を下げています。まぁ、理科は毎年安定して難しいといえるでしょう。
一つずつの問題の正答率を見ても、昨年と大きな変化はありません。80%以上の正答率の問題が昨年も今年も1つということを考えると、楽に得点させてくれる問題は来年も期待しづらいですね。
対策としては、各分野の知識をしっかりとインプットするとともに、それを問題文に沿ってうまく使えるように、頭に入れた知識をうまく説明できる状態を目標にして日々の勉強に取り組みましょう。
⑤社会
社会の平均点は41.8点。5科目のうちの最低点です。今年度の神奈川県公立高校入試は、社会に大きく注目が集まりましたね。
私が解いた時も、その難しさを実感しました。問われている知識もそうですし、国語的にもややこしいと感じる問題が多かった気がします。
ただ、正答率を見ると、20%を切る問題はほぼありません。「これは難問だ!」という問題があるわけではなくて、できそうでできないいやらしい問題が多かったということでしょうか。
選択が多くとも思考・判断力をきちんと問える個人的には大好きな問題でした。来年度も期待ですね。
それでは、対策のお話に参りましょう。
2019年度以降の受検生へ
2019年度以降の受験生は、まず確かな国語力をつけることです。国語力とは「相手の求めているものを返す力」。これが高ければ、入試に役立つとともに、普段の勉強から得られるものも多くなります。
そして、各科目の内容については、各項目を説明できるぐらいの知識を持つことを心掛けましょう。生半可な知識は、凡ミスのもととなります。
活用力(思考力・判断力・表現力)が求められる現代ですが、前提となる知識が入っていなければ、活用もできません。これについては夏前からしっかり準備をしましょう。
冬にはそれこそそういった知識を活かす練習をしたいですね。予想問はもちろん、各県の入試問題や過去問などを使って、考えて解く練習を繰り返しましょう。
特に、今年度を見る限り、神奈川県の50点満点時代の過去問はオススメです。来年度も傾向が同じかどうかはもちろんわかりませんが、やって損はしないでしょう。
最後に、今年も答案が全て返されています。神奈川県ナイスファイトと頭が下がる思いですが、各塾や模試会社にデータがこれだけ集まっているからこそ、番狂わせは起こりにくくなっています。
しっかりと内申を確保することを心掛けましょう。二次選考という仕組みはありますが、内申があるにこしたことはありません。成績アップの方法は「成績上昇大作戦」を。
各々にとって素晴らしい高校受験になることを、祈っております。
最後に
兎にも角にも、受験生・受検生の皆さん、本当にお疲れ様でした。
塾生以外にもこのブログを見に来てくれている人がいるみたいなので、毎年塾生に向けて勉強お疲れ様会で言うことを、改めてここに記しておきますね。
15歳のあなた達は、人生を一日にすれば、まだ朝の5時、つまり夜明け前に居ます。
やっとこれから一日が始まるという時間です。今までがどうだったとしても、これからあなたは、どこへでも行けますし、何だってできます。
受験がうまくいった人にも、そうでなかった人にも、やがて朝が訪れることでしょう。目の前にはきっと晴れ渡る空が広がります。
何をしようかな。どこへ行こうかな。遥か遠くを目指したり、お家でのんびりしたり、何かにチャレンジしたり、大好きな人に会いに行くのもいいでしょう。
未来はいつも自由で、素晴らしい可能性を秘めています。あなたはやっと、そのスタート地点に立ちました。そうです、ここは終わりではなくて、スタートなのです。
受験が終わっても人生は続く。受験は、困難に立ち向かう練習でもあります。この経験を活かして、あなた達が最高の未来を手に入れることを、私たちは願っています。
最後の最後に、塾生へ。あなた達は、とっても大切なものを残していってくれました。それは「頑張る姿勢」です。あなた達のその背中を見た後輩たちが、早くも頑張ってくれています。
ありがとね。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
さぁ、新年度がやってくるぞー
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