こんにちは、獣には程遠い私は犬ですが、その「獣」というワードが沢山出てくる『ヤバい集中力』という本を読みました。
本屋で見つけた【最新の科学的エビデンスによって導かれた「1日中アタマが冴えわたる神ライフハック」を収録】というキャッチーなコピーに導かれるがまま立ち読みを始めた僕でしたが、すぐさま購入を決意しました。
それは、生徒たちに読ませたかったから。厳密に言えば、読むまでいかなくとも、彼らにも内容を知って欲しいと思ったから。
本書では、ゲームをしすぎで亡くなってしまう人の例が挙げられていましたが、そんな風に身を滅ぼしかねない自分のうちに眠る「ヤバい集中力」の正しいコントロール方法を、生徒たちにも早いうちに知って欲しかったんです。
著者である「メンタリストDaigoが尊敬する人物」鈴木祐氏は、「パレオな男」というブログで日々日々健康や科学や心理学の情報を発信している文献マニアさんらしいです。だからこそ、本書では多くのエビデンスに基づいたお話が展開されていきます。
それでは早速、僕が惹かれた内容を、ちょっくら説明していきましょう。3つだけ「おおっ!知れてよかった!」と思ったことを載せておきます。以下、軽くネタバレです。ネタバレ嫌だという方は、ぜひまずご一読を。
脳にある2つの力
僕らの脳には、2つの力があるといいます。
「獣」:本能。超パワー。省エネ。難しいのが嫌い。いにしえの力。
「調教師」:理性。非力。大飯食らい。論理的。最近できた力。
この2つのパワーをうまく使うことが、物事をはかどらせるのに重要とのこと。
食事やルーティンなどを取り入れて獣を上手にコントロールする方法や、物語を利用して調教師を育てる術などが本書には書かれています。
冒頭では獣じゃないと言った僕もね、割と見たもの全てに反応しちゃう「獣」が強いタイプだと思うんですよね。意識があちこち行っちゃって、よく「あれ?何するんだったっけ?」ってなっちゃう。
生徒にもその気が強い子がいるんです。でも、こうやって自分の特性を知り、それと向き合うことで、対処策や安心感が生まれます。早速本人には本書の内容を伝えました。
意志力のアップデート
このブログでも取り扱ったことのある「意志力」。
「意志力」とは、 自分をコントロールする力のこと。この力は、筋肉と同様、量に限りがあり、使うと減って(疲れて)いくそう。そして、やっぱり筋肉と同様、鍛えることも可能だということです。糖分をとって回復させることもできる。
スタンフォード大学などの一流機関がお墨付きを与えたことで、一気に世界中に広がった考え方です。
実は近年の研究で、「意志力は減らないんじゃないか」という説や「意志力の回復に糖分は関係ない」という説が浮上しているのだとか。
その説の理由として挙げられている例えがお見事でした。
たとえば、いまあなたが「勉強をしたくない…」と思っていたとしても、好きな人から「一緒に勉強しよう」と誘われれば一気にやる気が出るはず。
本当に勉強になるのかどうかはさておき、確かに意志力が減っているわけじゃなくて、それを使うか使わないかの方が重要だということがわかりますね。獣のタスクの優先順位の問題ということです。
個人的な興味関心が満たされたというお話。
自制するには自省が欠かせない
これは「その言葉まさしく!」と思ったので、共有です。
獣やその獣が作り出す感情をコントロールするには、自省が必要。つまり、自分と向き合うことが大切ということです。
勉強が苦手な子は、この自省を嫌がります。面倒くさいし、嫌な部分に目を向けるのはへこむし、やり方もイマイチわからないしで、内なる獣に主導権を握られ、自己から目を背けてしまいます。
結果、ダラダラと意味のない勉強を繰り返したり、シャーペンを弄り倒したり、学校では誰かにちょっかいかけたりしちゃうんですよね。それではいけない。
本書では、どう自分と向き合えばいいのかについても詳しく書かれています。その方法が「デタッチド・マインドフルネス」。なんぞや、という方のために、簡単に説明しておきますね。
「デタッチド」は、分離や切り離すなどの意味。「マインドフルネス」とは、今その瞬間から気を逸らさず、ひたすら目の前の対象に意識を向け続ける意識のあり方のことです。組み合わせると、「思考や感情から距離を置いて、ひたすら観察に徹する行為」のようになります。
その中の一つに、「性格」と「音」に対する項目があったのですが、これも興味深かったので、紹介しておきます。
作業中の音楽(歌詞のないもの)への反応
- 自分の性格が外向的な人=作業中の音楽で集中力が改善される
- 自分の性格が内向的な人=作業中の音楽で集中力が低下される
こういった理論を踏まえて、自分と向き合ってみるのはどうでしょうか。
他にも、「なりきり戦法」や「集中力の使い方」「無意識の活用」など、このブログでも取り上げてきた内容が、科学的根拠と併せて紹介されているので、大変勉強になりました。
ちょっと横文字多いので、生徒たちはなかなか読みづらいと思いますが、噛み砕いて大人が説明してあげるといいでしょう。オススメの一冊です。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
とりあえずスマホを一回も見ずに書ききりました。
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