【受験情報】2020年度神奈川県公立高校入試志願者倍率のお話


県から公立高校の入試倍率が出ましたね。リンクはこちらです。

http://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/prs/koko/r20200130.html


倍率を見て志望校そのままの覚悟を決めた受験生の方は、すぐさま勉強に戻りましょう。いい点取れば倍率がどれだけでも合格できます。今は一点でも上げる努力を。


今回は、志願変更をお悩みの方や倍率について詳しく知りたいという方向けに、倍率についてのお話をしていきましょう。目次っぽいのを載せておくので、好きなところだけ読んでください。



1、倍率とは

2、倍率全体の感想

3、学力向上進学重点校

4、湘南(藤沢鎌倉茅ヶ崎寒川)地域

5、志願変更の考え方



公立高校受検における倍率とは



神奈川県公立高校の倍率は、年度に5回出ます


今回出た倍率はその2つ目。「志願者倍率」というものです。


ちなみに、年度に5回出る倍率の1つ目は、10月ごろに出る「暫定倍率」です。その時のことはこちらをご覧ください。


2つ目になる今回の「志願者倍率」は、いわば受験前の本気の人気投票です。毎年1月末頃に発表されるもので、「志願者数(願書を出した人数)」を「募集定員」で割った数字になります。この数値をもとに志願変更するかどうかを考える人もいます。志願変更の仕方はこちらで説明しています。


例えば倍率が2倍なら、2人に1人が合格します。1.5倍なら15人に10人が合格します。神奈川県の公立高校受検はその特性上、大学受験や中学受験に比べると倍率の数値は低めですね。高くても2倍ちょっとですからね。


神奈川県の高校受検においては、大体1.3倍を超えるとボーダーがグッと上がる印象です。ただ、その辺りは個人の内申にもよるので、今までのあなたを見てきた塾や学校の先生としっかり相談をしましょうね。


ちなみに、3つ目は「志願変更締め切り時の倍率」です。こちらは2月頭に行われる志願変更を踏まえて発表される倍率です。「変更した上での志願者数」を「募集定員」で割った数字です。1つの高校で多い時には50〜60人の志願変更者が出ますから、けっこう倍率が変動します。


4つ目は、「学力検査受検者数倍率」です。学力検査実施日後に発表される倍率です。「学力検査受検者数」を「募集定員」で割った数字で、湘南や横浜翠嵐は私立や国立との兼ね合いもあり結構変わります。


5つ目は、「最終倍率(競争率)」です。これは合格発表後に発表される倍率です。「受検者から受検後取消者数を引いた数」を「合格者数」で割った数字です。「実質倍率」とも呼ばれ、毎年販売される高校受験案内などに載っているのはこの数字のことがほとんどです。なお、「合格者数」で割るため1.0未満になることはありません。定員割れの高校はすべて倍率1.0表記になるということですね。


念のため、今後のスケジュール表を載せておきます。参考になれば幸いです。




全体の所感



まずは全体を見た感想を少しだけ。


パッと見たところ全体的に落ち着いている印象でした。昨年より落としているところが多いイメージ。昨年低かったところが上がっていたり、その逆だったり、神奈川特有の隔年現象もちらほら確認ができますね。後は、暫定倍率が高かったところは下がり、低かったところは上がっている感もあります。結構みんなやっぱり気にしていたんでしょう。


高倍率ランキングはこちら。


高倍率ランキング

1、横浜翠嵐高校  2.07

2、横浜市立南高校 1.95

3、神奈川総合高校 1.92

3、川崎市立橘高校 1.92


横浜翠嵐高校が不動のトップ倍率。さすがです。やはり今年も人気ランキングトップでしょうか。


昨年に続き、今年もやはり二極化が気になります。人気校と人気下位校の格差ですね。補助金の関係から私立高校が選択肢に入りやすくなったことも影響しているでしょうね。


学力向上進学重点校やそのエントリー校、またサイエンスフロンティアや横浜国際、神奈川総合といった上位層は人気を保っています。昨年苦戦した平塚江南は普段通りに戻った感じですね。


定員割れの高校が52校。昨年もそうでしたが、この辺りの格差は縮みそうにありません。定員割れを起こすと基本全入ですから、一気に学力層は下がります。一度定員割れを起こしてしまうと、人気的にそこからの挽回って結構難しいイメージです。


前年も申し上げたコメントをここでも記しておきましょう。

立地だったり、実績だったり、イベントだったり、伝統がつくった雰囲気だったり。選ばれる学校には選ばれる理由があるんですよね。それは逆に、選ばれない学校には選ばれない理由があるということ。


そういった高校が、色々と起死回生の手を探しながら、ゆくゆくは各々が特色溢れる魅力的な高校になり、生徒たちの「自分にあう成長の場」の選択肢が、数多に増えていくといいですよね。  



学力向上進学重点校




続いて、学力向上進学重点校についてです。


高校名、昨年度同時期倍率、今年の倍率の順で載せておきます。


湘南高校    1.82→1.70

横浜翠嵐高校  2.22→2.07

柏陽高校    1.58→1.78

厚木高校    1.42→1.26


頭文字をとって「王様」の意を持つ「SYAH」と名付けた4校(4皇)ですが、柏陽以外は軒並みダウン。


湘南翠嵐は暫定倍率が高めだったことが影響しているかもしれません。湘南や翠嵐を避けて、暫定倍率の時点では昨年より倍率が低かった柏陽を志望した組が予想以上に多かったということでしょうか。


厚木はその三校と距離的に離れているため、直接的な影響はあまりなさそうですが、厚木を避け大和を志望した子が多かったのかな。いずれにしても厳しい戦いは覚悟ですね。


湘南の倍率も高いは高いんですが、その数値だと低く見えるのが謎ですね。うちの生徒も「意外と…」と話していました。暫定倍率がすごかったからね。もしかしたらここから上がることも有り得る?いや、今までのデータを見るに流石にそれはないでしょうか。


人気校が少しずつ倍率を下げているのは、説明会が混みすぎて入れなかったり、そのせいで違った印象を受けたりしたこともあるんですかね。各校がしっかりターゲッティングをした成果?考えすぎでしょうか。まぁもちろん共通特色検査が影響していることもあるでしょう。




湘南(藤沢鎌倉茅ヶ崎寒川)地域



続いて、湘南地域の倍率を見ていきましょう。実はこの地域、定員が結構減っているんですよね。だから、もっと厳しい倍率が立つかと思ったのですが。



表の上の方から見ていきましょう。


鎌倉と茅ヶ崎北陵が値を下げていますね。昨年特色を避けて平塚江南から流れていた層が戻ったということでしょうか。鎌倉は建て替えで校庭が狭くなる件もあって倍率低くなることも予想されたんですが、暫定倍率は圧巻でしたからね。それを見て避けた人も多いかもしれません。また、今年から特色検査ということで落ち着いた面もあるのでしょう。


大船は何やら来年度から体育祭の髪染めができなくなって在校生が文句を言っているらしいですが、例年並みの倍率。日本一海に近いといわれる七里ヶ浜も十分予想できた倍率ですね。


圧倒的人気だった藤沢西はちょっと落ち着きました。ただ、ここから志願変更で上がるんじゃないかな。驚異の暫定倍率で避けた組がまた戻ってきそうです。


驚いたのは湘南台。インクルーシブ効果?いやいや、本来素敵な高校ですから今までがおかしかったんですかね。ちょっと説明会の雰囲気が変わっという情報も聞いています。もしかして制服変えた効果も大きい?昨年まではTHE真面目っていう感じでしたもんね。


鶴嶺心配でしたが盛り返しました。ここも最近真面目路線になって少し人気が落ちたと聞いていましたが、元来雰囲気のいい素敵な学校です。


大船、七里ヶ浜、藤沢西、湘南台、鶴嶺、併せてSOFTSは大船と藤沢西がちょっと低いかなというのと、湘南台がちょっと高すぎかなっていう感じなので流動があるかもしれません。


そして、深沢がピンチ。募集定員も少ないんですけどね。立地がネックなんでしょう。ちなみに、当教室に一番近い高校でもあります。…ということはうちも…?まぁ、深く考えるのはやめましょう。志願変更で上がると思います。


藤沢清流と藤沢総合は共に単位制の学校。時代の流れか、時間的な自由度が高いと人気です。このあたりで落ち着くでしょうか。西浜もここで落ち着くかと。


寒川はもう定員割れから逃れられませんかね。定員も減らしているのですが。。


藤沢工科は説明会とか面白いんですけどね。定員割れを続けていますが、専門科ということもあって、荒れている印象はそんなにありません。就職に向けて鍛えられるんですかね。




志願変更の考え方



最後に、志願変更の考え方についてです。


志願変更は誰もに与えられた権利。遠慮する必要はありません。方法などはこちらの記事をご覧ください。


一番行きたい高校にチャレンジするのか。それともレベルを落として安全策にするのか。そこに正解はないと思います。


まず大事なことは、必ず最後は本人が決めること。自分の人生ですからね。親や先生の意見は聞いてもいいですが、それを踏まえて最終的には本人が決めることです。


どこに入ってもいいことや悪いことがありますが、本人が納得して入ったのなら、それらも成長の糧にできます。誰かに決めてもらうと、言い訳の材料にしかなりません。


それを踏まえて、僕が生徒に志望校決定の考え方を伝えるときは、よく「一番行きたい高校」と「二番目の公立高校」と「併願の私立高校」の行きたい度を100点満点で数値化してもらい、グラフにして、その上に合格可能性を100点満点で加えて合計値を可視化する手法を伝えます。


その結果「二番目の公立高校」より「併願の私立高校」の方が高ければ、「よし、思い切って挑戦しよう!」と踏ん切りがつきますよね。もちろんその表通りで決めなくてもいいのですが、可視化するというのは考えるときの良い材料になります。


もしかしたら、初めての進路選択だもんね。迷うよね。困るよね。でも、その迷いや不安と向き合った経験は、これからの人生で必ず役に立つから。大いに迷って、大いに困ってください。そして、最後は自分が出した結論に自信を持って。


倍率はあくまで倍率。これであなたの合否が決まったわけではありません。あなたの合否を決めるのは、受験当日のあなたです。さぁ、決断をし、最後のスパートに参りましょう。


どうかみんながベストを尽くせますように。


本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。

ちょこっとずつ加筆修正していきます。



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「第二の家」ブログ|藤沢市の個別指導塾のお話

塾という場所が好きです。生徒の成長する姿を見るのが好きです。生徒や保護者と未来の話をするのが好きです。合格や目標を達成して一緒に喜ぶのが好きです。講師と語り合うのが好きです。教材とにらめっこするのも好きです。新しい人と出会うのも好きです。藤沢の街が好きです。ブログも、好きです。

勉強犬

「第二の家」学習アドバイザー。
世界中に「第二の家」=「子どもたちの居場所であり未来を生きる力を育てる場所」を作ろうと画策中。元広告営業犬。学生時代は個別指導塾の講師。大手個別指導塾の教室長(神奈川No,1の教室に!)・エリアマネージャーを経て、2015年ネット上で「第二の家」HOME個別指導塾を開設。2019年藤沢にHOME個別指導塾リアル教室を開校。